[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁とデギンドス副総裁は4日、高インフレが定着する前にインフレ率を引き下げることにECBは照準を合わせていると強調した。
2桁に達しているユーロ圏の物価上昇率を引き下げる決意を示し、各国政府に対し過大な歳出により物価を上昇させないよう呼び掛けた。
ラガルド氏は現在の高インフレが定着し、インフレ期待が急上昇すれば、金融政策を急ピッチで引き締める用意があると述べた。
総裁はエストニアで講演し、ECBの利上げには時間差があると認めた上で「例えばインフレがさらに持続し、期待のアンカーが外れるリスクが生じた場合、政策措置の完全な効果が現れるまで待つわけにはいかない」と発言した。
「インフレが適時に目標に戻ると自信を深められるまで追加の措置を講じる必要が生じるだろう」と述べた。
デギンドス氏はスペインで講演し「(ECBは)需要に対する支援を減らし、インフレ期待が持続的に上方シフトするリスクを防ぐことに引き続き注力する」必要があると述べた。
ラガルド、デギンドス両氏は、高インフレの影響を受けている家計に対して各国政府は「一時的」で「的を絞った」支援を行うべきとの考えを示した。
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中央銀行総裁は4日に公表された政治専門サイトのポリティコとのインタビューで、財政政策と金融政策はトレードオフの関係にあると指摘。「財政政策が非常に緩やかであれば、残念ながら金利は青天井になる。それは起こって欲しくない」とした。
また、利上げ幅については小幅にすることが望ましいとしたほか、債券購入プログラムの巻き戻しに関しては「慎重かつ緩やか」であるべきとした。