[バンコク 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2日、欧州の一部の国の財政政策は過剰な需要を引き起こす可能性があるとし、持続的な成長を確保するには財政・金融政策を協調させることが必要だとの認識を示した。
バンコクでの会議で「供給に制約がある経済で過剰な需要を生み出す財政政策は、金融政策に必要以上の引き締めを強いる可能性がある」と述べた。
総裁は、残念ながら現時点で欧州、特にユーロ圏政府の財政政策のいくつかは過剰な需要を引き起こす方向にある、と懸念を示した。
「供給面の制約を取り除き、世界経済の変化によって潜在的生産が損なわれないようにするためには、投資拡大と構造改革が必要だ。それは大きな課題であり、われわれが抱えている不確実性だ」とし、「外需が不確実な世界では、生産性の向上を通じて国内の需要と供給を強化する必要もある」と説明した。
インフレ率がECBの2%目標を大きく上回る中、ECBは今後も利上げを行うと予想されている。
ラガルド氏は「われわれ中央銀行がしなければならないことは、(インフレ)期待の抑制につながる金融政策を行うことだ。全てのシナリオにおいてインフレ率が中期目標に戻るということを一般の人々やオブザーバー、コメンテーターなどにタイムリーに知らせる必要がある」と指摘した。