[ジャカルタ 24日 ロイター] - インドネシア中央銀行は24日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を予想通り5.75%に据え置いた。現行の金利水準でインフレ率を今年、目標レンジ内にとどめることが可能との見解を示した。
翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)は5.00%に、貸出ファシリティー金利は6.50%にそれぞれ据え置いた。
据え置きは7回連続。中銀は通貨ルピアの安定を維持することが政策の主眼だと改めて表明した。
中銀は保有国債を裏付けとするルピア建ての新たな証券を発行する計画を公表した。会見したペリー・ワルジヨ総裁は新たなオペ(公開市場操作)の手段で、外国からの資金を金融市場へ呼び込む努力を支援すると説明した。
総裁は「(ルピアの防衛は)国内経済、物価、成長をグローバルな波及効果から守るための手段だ。あらゆる国が通貨安に見舞われている。われわれの主眼は介入を通じた為替レートの安定だ」と発言。特にスポット市場と国内ノンデリバラブル・フォワード(NDF)市場への介入を重視し、新証券を活用する考えを示した。
「中銀のルピア建て証券の原資産として使用できる国債は1000兆ルピア以上ある」と表明。債券の満期は6カ月、9カ月、12カ月で、9月15日から募集を開始するとした。外国人投資家を含め、一般の投資家が流通市場で取引できる。
総裁は、新証券はリバースレポ・オペに取って代わるものになると説明。新証券の導入に伴い、短期国債を売って長期国債を買うツイストオペは変更になる。
中銀に対しては、景気下支えのため利下げの検討開始を求める声も出ているが、一部のエコノミストは、米国資産との金利差を縮小しルピアの安定を維持するため、追加の引き締めが必要だと指摘している。
ルピアは7月中旬以降、緩やかに下落。3月以来の安値となる1ドル=1万5300ルピア前後で取引されている。
第2・四半期の経済成長率は個人消費の増加で予想を上回ったが、輸出の減少や来年2月の選挙を控えた投資の決断見送りで年内の見通しは厳しい。
7月のインフレ率は3.08%と、中銀の目標レンジ(2─4%)の中間値付近。
DBS銀行のエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、ルピア安圧力に対処するために中銀は介入やドル資金流入を促す措置を優先する姿勢を示したと分析。今回の決定は安定とインフレ対応のバランスを取るための措置と評価した。
中銀は今年の経済成長予測を4.5─5.3%で据え置いた。今年と来年のインフレ率についても目標レンジ内で推移するとの見方を示した。来年のインフレ目標は1.5─3.5%。