[メキシコ市 31日 ロイター] - メキシコ財務省と中央銀行で構成する外国為替委員会は31日、中銀が通貨ペソ安定のために行っている「為替ヘッジプログラム」を段階的に縮小すると発表した。
今年対ドルで13%上昇してきたペソはこの発表後2%値下がりする場面があったが、その後下落幅は縮小。アナリストは、ペソ安を一時的な現象とみている。
外国為替委員会によると、9月から同プログラムの行使期間が一本化され、取引規模は半減される。
同プログラムは2017年に55億ドル規模で導入され、新型コロナウイルスのパンデミックで市場の動揺が強まった際に20億ドル弱分が上乗せされた。ただ外国為替委員会は「外為市場は十分な流動性と厚みを備え、秩序ある形で取引される環境に戻っている」と述べ、与信機関などは為替リスクを自らカバーできるようになったと付け加えた。
バンコ・バセのガブリエラ・シラー氏は「ペソが大きく上昇した以上、当局は市場から手を引くためにこのプログラムを打ち切りたかった」と解説。これで市場機能が混乱するリスクは小さいとの見方を示した。