Ismail Shakil
[オタワ 1日 ロイター] - カナダ統計局が1日発表した2023年第2・四半期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比0.2%減った。カナダ銀行(中央銀行)の予想(1.5%増)、アナリスト予想(1.2%増)にそれぞれ反して減少した。
GDPが減ったのは住宅投資の減少、在庫積み増しの縮小、輸出と家計支出がそれぞれ縮小したのが主因。
7月のGDP速報値は前月比でほぼ横ばいだった。
6月は0.2%減となり、予想と一致した。統計局によると、卸売業の落ち込みが最大の重しとなり、カナダの山火事も鉱業・採石業や鉄道輸送などの産業に悪影響を与えた。
カナダ中銀は来週、政策決定会合を開く。TD証券のカナダ担当チーフストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は「今回の結果は9月会合での決定をかなり容易にするため、カナダ中銀にとっては大きな安心材料となるだろう」とし、「中銀は『金融政策が引き続き機能しており、今月の会合で(政策金利を)据え置くことが正当化される』と言いやすくなる」との見方を示した。
統計局は5月のGDPが0.2%増だったとし、従来発表の0.3%増から下方改定した。
第1・四半期も2.6%増と、従来発表の3.1%増から引き下げた。