Michael S. Derby
[ニューヨーク 7日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は7日、インフレ率の低下と経済バランスの改善を認め、今月の利上げを急ぐ必要がないことを示唆した。
ブルームバーグのイベントで、米連邦準備理事会(FRB)の現在の金融政策が「制約的であることは明らか」だが、インフレ率を2%に戻すために再利上げが必要かどうかは「未解決の問題だ」と述べた。
ウィリアムズ氏は「物事は良い方向に進み、政策は良い位置にある。ただわれわれは(目標達成に向けて)今後もデータに依存し続ける」と述べ、19─20日の次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)までの間に、まだ多くのデータが発表されると指摘。FRBが再び利上げを行うべきかどうかについては明言を避けた。
次回のFOMCでは、利上げが見送られるとの見方が強い。
FRBは6日に発表した最新の地区連銀経済報告(ベージュブック)で、労働市場が冷え込み、インフレ圧力が鈍化する中、7月から8月にかけ、経済成長は控えめだったと指摘した。
ウィリアムズ氏は、経済の多くの部分がコロナ禍から回復に向かっているように見えるが、FRBは現在、インフレ率を目標に戻すという公約を繰り返す以上のガイダンスを提供するのは難しい状況にあると発言。「状況が変化し、予想と異なる展開になれば、われわれは適切な方法で適応し、変化していくだろう」と述べた。
現在の失業率3.8%が4%台前半まで上昇するとの見通しを示した上で、インフレが「伝統的な」動きを示さない経済ではこの上昇は起こりやすいと指摘した。
ウィリアムズ氏はまた、金融セクターがネガティブな見通しを後退させたようだとし「景気後退に陥るという話は全て消えた」と述べた。