Andy Bruce David Milliken
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した5─7月の賃金はボーナスを除いたベースで前年比7.8%上昇し、伸び率は4─6月から変わらずとなり、高水準を維持した。エコノミスト予想とも一致した。
ボーナスを含む賃金は8.5%増と4─6月の8.4%増から拡大した。政府の補助金で統計にゆがみが生じた新型コロナウイルス流行時を除くと過去最高だった。
英中銀は22日の金融政策委員会(MPC)で政策金利を5.25%から5.5%へ引き上げるとみられている
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ヒュー・ギンバー氏は「より大きな問題はその後の道筋だ」と指摘。
「世界中の中銀が引き締めを一時停止すれば、英中銀は引き締めを続けることに消極的になるだろう。しかし今後発表されるデータに決定的な変化がなければ、金利の最終到達点が5.75%になることは完全にあり得る」との見方を示した。
ただ、失業率は4.2%から4.3%に上昇し、2021年7─9月以来の高さとなった。求人数は2年ぶりに100万人を下回った。
失業率は、イングランド銀行(英中銀)が8月前半に第3・四半期予測として公表した4.1%を既に上回っている。
5─7月の雇用者数は20万7000人減と予想以上に減少し、20年8─10月以来の大幅なマイナスとなった。
野村のエコノミストは「労働市場にはかつてないほどの悪化の兆しがある」との見方を示した。来週のMPCは利上げを巡りこれまでより意見が割れると予想した。
消費者物価上昇率を調整した週平均収入は0.6%増と22年3月以来初めてプラスとなった。
ハント財務相は「公共部門労働者への一時金支払いの影響もあり、賃金の伸びは依然として高い」としながらも「実質賃金が持続的に増加するにはインフレ率を半減させる計画を堅持しなければならない」と述べた。