Huw Jones
[ロンドン 19日 ロイター] - ユーロ圏の銀行破綻処理を担う単一破綻処理委員会(SRB)は19日、域内大手行の大半が破綻時の損失吸収能力として確保を求められている適格債務の基準を満たしているが、一部の銀行はさらなる取り組みが必要だと指摘した。
米国でのシリコンバレー銀行などの破綻やスイス金融大手UBSによるクレディ・スイスの救済買収といった最近の金融不安は、銀行や規制当局が突然の危機への備えを手厚くする必要性を示しているとした。
2008年の金融危機後に導入された「MREL」と呼ばれる資本・債務の規制下で、欧州連合(EU)の銀行は24年1月までに一定の損失吸収力を確保することを義務付けられている。
確保した債務は破綻時に投資家に損失を負担させて税金での救済を避ける「ベイルイン」に使われる。SRBがMRELの要件を定めており、22年末までに3分の2の銀行が24年1月までの目標を達成したと明らかにした。
不足分は銀行の資産総額の0.3%、額にして205億ユーロ(218億7000万ドル)に相当するという。基準を満たしていない銀行は24行に上り、このうち14行は達成期限を24年末あるいは25年に引き延ばすことが認められているという。