Steve Scherer David Ljunggren
[オタワ 19日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のコジッキ副総裁は19日、基調的な物価上昇率が高止まりしている点に懸念を表明した。
この日発表された8月消費者物価指数(CPI)は、ガソリン価格上昇を背景に前年比上昇率が4.0%と、7月の3.3%から伸びが加速した。
コジッキ氏は、こうした総合CPIについては「過去数カ月で目にしてきた上下の振れはごくありふれた動きだ」と特段問題視しない姿勢を明らかにした。
一方で同氏は「基調的な物価上昇率はなお、2%の物価上昇率目標達成と整合的な水準を大幅に上回っている」と指摘した。
実際コアCPIの一つであるCPIトリム値は直近数カ月が3.5―4%で推移している。
コジッキ氏は、これまでの利上げで確かに需要は鈍化したが、物価上昇率はまだ高過ぎる状態が続いており、実質金利を高水準に保つ必要があることを意味しているとの見方を示した。
カナダ中銀は6日の理事会で政策金利を5%に据え置き、経済成長が弱まる局面に入っていると説明した。ただ物価圧力が根強いのであれば、追加利上げに動く可能性はあると警告している。
8月CPI発表後、短期金融市場が想定する10月25日の会合での利上げ確率は23%から42%に切り上がった。