[ウェリントン 4日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は4日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を5.5%に据え置くことを決定した。これまでの利上げが想定通り支出とインフレを抑制しているとの見解を改めて示した。
据え置きは3会合連続で、ロイター調査でエコノミスト27人全員が据え置きを予想していた。
声明によると、金融政策委員会は、消費者物価指数(CPI)上昇率が1─3%の目標範囲に確実に戻るよう図るためには、政策金利を当面、制約的な水準で維持する必要があるとの見解で一致した。
需要の伸びは引き続き鈍化しているが、第2・四半期国内総生産(GDP)成長率が予想を上回ったと指摘し、景気見通しは依然として低調だとした。
「金融環境がなお制約的で、支出の伸びはさらに鈍る見込み」とした一方で、短期的に経済活動とインフレが十分減速しないというリスクに当局者らは留意したと説明した。
NZドルは中銀の決定後に下落し、対米ドルで3週間ぶりの安値を付けた。中銀のタカ派姿勢がやや後退したとの見方が背景。
同国のインフレ率はこのところ鈍化して6.0%を付けており、2022年6月に付けた30年ぶり高水準である7.3%から低下。今後2年間で中銀の目標レンジ内に収まると予想されている。
キャピタル・エコノミクスのアナリストは「中銀は制限的政策設定が実体経済に完全に浸透するのを待とうとしているようだ」と述べ、「今後の経済指標で予想外の上振れサプライズがなければ中銀の引き締めサイクルは終わったとの従来見通しを維持する」とした。