[15日 ロイター] - HSBCは2024年のアジア新興国通貨について、主要国の高水準の金利や中国経済のまだら模様の回復、資金流入の変動を背景に緩やかに回復すると予想している。
米利下げが3月にも始まるとの観測から、アジア新興国通貨は12月に上昇した。ただ今年に入ってからは、市場関係者が米利下げ時期を見直す中、アジア通貨を巡る楽観的見方は後退している。
HSBSは「アジア通貨の回復の道筋は、特に米連邦準備理事会(FRB)がまだ利下げを行っていない間は不安定になる」と指摘する。
中国経済は当局の支援策にもかかわらず不動産危機で低迷している。HSBCは、人民元は年末に1ドル=7.10元前後で取引を終えると予想している。前回予想値は7.30元だった。
また、人工知能(AI)ブームで輸出依存度が高い国の通貨上昇が見込めるとし、低金利通貨では韓国ウォン、台湾ドル、シンガポールドルを選好している。
インドについては、国債の指数採用で資金流入が見込めるとし、高金利通貨の中ではインドルピーを選好しているという。
インドとインドネシアは今年議会選挙を控えており、投資家の間では政策の方向性や財政状況を見極めようとする動きがある。
通貨ペア 前回予想(2024年末) 現在の2024年末予想
米ドル/人民元 7.30 7.10
米ドル/人民元 84.00 82.80
米ドル/インドルピー 15,900 15,400
米ドル/KRW 1,300 1,270
USD/MYR 4.60 4.55
米ドル/PHP 57.0 55.2
USD/SGD 1.38 1.31
USD/TWD 31.6 30.2
米ドル/THB 36.4 34.2
USD/VND 25,200 24,400