[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場でKDDIが軟調となっている。同社は6日、ローソンに対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したが、市場ではシナジー効果に対する懐疑的な見方が聞かれる。株価は一時3.2%安の4540円に゙下落した。
市場では「本業と異なるだけに、費用に見合うシナジーがわかりにくい」(国内証券のアナリスト)との声が出ている。KDDIはもともと自社株買いに前向きとの受け止めがあったが、先行きの自社株買いの姿勢にTOB費用の負担が影響しないか警戒する声も聞かれる。
一方、ローソン株はTOB価格の1株1万0360円にサヤ寄せする動きとなり、一時16.1%高の1万0355円に上昇した。KDDIは4月ごろをめどに買い付け開始を目指す。TOB成立後に一連の手続きを経て、最終的に議決権所有比率はKDDIが50%、ローソンの親会社である三菱商事が50%となる予定。KDDIによる取得総額は約4971億円。ローソン株は上場廃止となる。
KDDIの高橋誠社長は6日の共同記者会見で、昨年5月に三菱商事から今回のスキームの提案があったことを明らかにし「時代の変革期なので思い切った投資はいいこと」と判断したと述べた。コンビニは社会インフラとして非常に重要な役割があり、「われわれの持つ通信・DXの力をフル活用して、未来のコンビニを実現してもらいたい」と述べた。