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東京外為市場・正午=ドル80円後半、半期末目前に海外短期筋のポジション巻き戻しが進行

発行済 2011-06-27 12:36
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       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   80.70/73  1.4127/30  114.01/06

午前9時現在 80.44/49  1.4154/57  113.90/93

NY17時現在 80.39/43  1.4190/96 114.12/17

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 [東京 27日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時

点に比べドル高の80円後半。海外短期筋が、半期末を目前に控え、ポジションの巻き戻

しを活発化させたことを受け、ドルが幅広く買い進まれた。豪ドルは2カ月ぶり、英ポン

ドは5カ月ぶりの安値を付ける一方、ドル/円も一時81円に迫った。

 

 海外短期筋のポジション調整以外に「(ドルを買う)理由が特に見当たらない」(外銀)

なか、ドルは朝方の安値80.29円から一時80.89円まで上値を伸ばした。しか

し、高値では証拠金取引(FX)の利食いに押され80円後半まで小幅に反落した。 

ユーロは朝方の高値1.4224ドルから一時1.4102ドル付近まで下落。豪ドル

は1.0419米ドルと2カ月超ぶりの安値をつけ、英ポンド

1.5913ドルと約5か月ぶりの安値まで下落した。

 

 現象面のみとらえれば、豪ドル、英ポンド、株、金、原油価格等が下落して「リスクオ

フ」の流れだが、現実は「悠長なストラテジーの話ではなく、6月末(の決算)を控え

て、焦った短期筋のポジション巻き戻しが出ている」(投信ファンドマネージャー)とい

う。

 また、米国債市場で「米金利が最近低下しているのは、(ファンド勢が)米債を十分に

買えていない証拠だろう。株はロングが処分しきれていない」(同ファンドマネージャ

ー)との見方が出ていた。

  米10年物国債利回りは午前の取引で一時2.8564%付近まで低下し

た。同利回りは24日ニューヨーク終盤に2.8710%だった。

 

 <ユーロ>

 

 この日の取引では、ポジション調整のユーロ売りに加え、「ユーロのボラティリティ上

昇に伴うヘッジのユーロ売り」(邦銀)も見られたという。

 ユーロの1週間物ボラティリティ14.4/15.2%の気配と、昨年

11月末以来7カ月ぶりの高水準に達している。 為替相場のボラティリティについて

は、実証研究によって「ボラティリティ・クラスタリング」という特徴が証明されている。

すなわち、小さい変化のあとには小さい変化が続くが、ひとたび大きなショックが起きる

と、その後方向性は不明だが、相場が大きく振れやすいという特徴だ。

 今週も、ギリシャの緊縮財政法案をめぐって、ユーロのボラティリティが高まると市場

参加者らは予想している。

 与党・全ギリシャ社会主義運動の幹部ソマス・ロボプロス氏は24日、緊縮財政法案の

採決で反対票を投じる意向を明らかにした。同氏は増税、歳出削減、国有資産の売却を含

む緊縮財政計画に反対すると述べたことを受け、海外市場でユーロは対ドルで大幅に下落

した。

 市場ではまた、フランス政府と同国の銀行が、ギリシャ債務のロールオーバー(借り換

え)に関する提案で合意したことが話題に上がっていた。仏フィガロ紙の電子版による

と、この提案の下、債権者はギリシャの債務が返済期限を迎える際の償還資金の70%を

再投資する。このうち50%は5年物の代わりに30年物のギリシャ国債に投資されると

いう。「仏銀のギリシャ国債のロールオーバーはユーロにとってポジティブ材料だが、今

朝はドル買い戻しの勢いに負けた(ユーロが弱含んだ)」(邦銀)という。

 

 前週末の海外市場では、イタリアの一部銀行が7月13日に結果が公表される見込みの

ストレステストを通過できないとの観測が浮上し、欧州株式市場でウニクレディトとイン

テサ・サンパオロの取引が一時停止した。欧州債務懸念が広がるかたちとなり、ユーロが

下落した。

 「ギリシャの先行きがある程度は見えてきたので、次のドミノを探したのだろう」と三

井住友銀行市場営業推進部チーフストラテジストの宇野大介氏は述べ「ギリシャの格付け

も下げるところまで下げられてしまい、ユーロ圏離脱の話まで織り込まれた以上、ギリシ

ャの話題だけでユーロ売りを促すのは困難になってきている」と指摘した。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは23日、イタリアの銀行16行と政府系金

融機関2社の格付けを向こう数週間に引き下げる可能性があることを明らかにした。 同

国のソブリン債格付けを引き下げ方向で見直すと前週発表したことを受けた措置。 ムー

ディーズはイタリアの別の銀行13行についても、格付け見通しを「安定的」から「ネガ

ティブ」に変更した。

 

 <FX取引>

 この日、対円でのドル買い戻しは81円を目の前に失速したが、この背景として証拠金

取引(FX)の存在がある。

 このところの為替市場では、FXによる相場への影響がしばしば取り上げられるが、

「FXといっても、狭義の個人投資家ではなく、元は金融機関のディーラーとしてポジシ

ョンを持っていたプロの投資家も多く、彼らはレバレッジ規制が一段と厳しくなっても、

引き続きある程度の規模でポジションを張り続けるだろう」(外為アナリスト)という。

  また、「個人が使える為替取引システムの性能が格段に向上したため、機動的な取引

が可能で、インターバンクの値動きに乗り遅れることもなくなった」(同)との指摘もあ

る。 証拠金取引のレバレッジは「金融商品取引業等に関する内閣府令」によって

2010年8月1日から上限が50倍に、2011年8月1日から25倍に制限される。

 (ロイターニュース 森佳子)※(yoshiko.mori@thomsonreuters.com;03-6441-1877;

ロイターメッセージング:yoshiko.mori.com@reuters.net)

  

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