ドル/円
午後3時現在 80.68/72 1.4131/33 114.02/07
正午現在 80.70/73 1.4127/30 114.01/06
午前9時現在 80.44/49 1.4154/57 113.90/93
NY17時現在 80.39/43 1.4190/96 114.12/17
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[東京 27日 ロイター] 午後3時のドル/円
時時点に比べ30銭ほど高い80円後半。ギリシャの債務問題や原油下落でユーロや豪ド
ルが売られやすかったことに加え、半期末を目前に控えた短期筋が持ち高の巻き戻しを活
発化させたことで、ドルが幅広く買われた。ドル/円は一時81円に迫ったものの、個人
の利食いに上値を抑えられた。
<ドル指数は1カ月ぶり高値圏>
主要6通貨に対するドルの動きを示すドル指数<.DXY>は1カ月ぶりの高値圏で推移し、
75.98まで上昇した。ユーロや豪ドル、英ポンド、カナダドルといった金利先高観の
ある通貨たけでなく、円やスイスフランも対ドルで下落した。
前週末からユーロ圏債務問題に対する懸念を増幅させるニュースが相次ぎ、24日には
ギリシャの与党・全ギリシャ社会主義運動の幹部ソマス・ロボプロス氏が緊縮財政法案の
採決で反対票を投じる意向を表明。イタリアの一部銀行が7月13日に結果が公表される
見込みのストレステストを通過できないとの観測も浮上し、欧州株式市場でウニクレディ
トとインテサ・サンパオロの取引が一時停止した。
きょうからギリシャ議会が緊縮財政法案を審議する。再び「採決前に与党から造反者が
出るような動きがあれば、ユーロが1.41ドルを割り込み、ドル/円は81.00円を
超えるだろう。ドル/円は特に6月16日の高値(EBSで81.06円)辺りの攻防に
なりそうだ」(IGマーケッツ証券為替担当アナリストの石川順一氏)との声が聞かれ
た。
<銀行間市場に負けない個人の動き>
半期末を前にした短期筋の動きも、ドルの買い戻しに拍車をかけた。豪ドルや金、原油
価格などが下げ、リスク回避の流れにみえるが、実際にはスイスフランや円も対ドルで売
られている。「6月末(の決算)を控えた短期筋のポジション巻き戻しが進行している」
(投信ファンドマネージャー)との指摘があった。「コモディティーやコモディティー通
貨に加え、クロス円やユーロ/ドルでもロングでつかまっているファンドが多く、苦しま
ぎれにユーロ/ドルを逆サイド(ユーロ売り)に張ったファンドもいるようだ」(同)と
いう。
投機筋の動向が反映される米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物取組
(6月21日までの週)によると、ドルは円以外の通貨に対して買い戻しが進み、売り越
しが減少。減少幅は3月上旬以降で最大となった。
ドル/円はこの日、80.89円まで上昇した。しかし80円後半は輸出企業に加えて
個人投資家の売りが厚く、さらに上値を伸ばすことはできなかった。このところの為替市
場では、個人による相場への影響がしばしば取り上げられるが、「元金融機関のディーラ
ーとしてポジションを持っていたプロの投資家も多く、彼らはレバレッジ規制が一段と厳
しくなっても、引き続きある程度の規模でポジションを張り続けるだろう」(外為アナリ
スト)という。また、「個人が使える為替取引システムの性能が格段に向上したため、機
動的な取引が可能で、インターバンクの値動きに乗り遅れることもなくなった」(同)と
いう。
(ロイターニュース 久保 信博記者)