ドル/円
正午現在 80.74/79 1.4554/60 117.55/58
午前9時現在 80.81/86 1.4564/67 117.71/74
NY17時現在 80.82/86 1.4522/28 117.41/46
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[東京 4日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ
て小幅安の80円後半。午前の外国為替市場では、ユーロが買われた。ギリシャ問題への
懸念後退や株式相場の上昇を受け、投資家のリスク許容度が高まった。豪ドルも序盤は上
昇したが、オールトラリアの経済指標が予想外に悪かったことで急落した。ドル/円は方
向感に欠け、レンジ相場が継続した。
<ユーロ1カ月ぶり高値>
ユーロ/ドルは朝方から強含み、ストップを巻き込むと1.4580ドルまで上昇。対
円でも117.74円まで水準を切り上げ、ともに1カ月ぶりの高値をつけた。ギリシャ
への第5弾融資が決まり同国の債務不履行(デフォルト)懸念が和らいだこと、前週末に
発表された米ISM製造業景気指数が堅調だったことで世界経済の先行きに楽観的なムー
ドが流れ、金利先高観の強い通貨が買われた。
ユーロと並んで買われていた豪ドルは、オーストラリアの経済指標が発表されると急落
した。5月小売売上高が予想に反して前月から減少したほか、住宅着工許可件数もマイナ
ス幅が予想以上に拡大し、オーストラリアの利上げ期待が後退した。豪ドルが反落したこ
とで、ユーロも対ドル、対円で上げ幅を縮小した。ユーロ/円は仲値で自動車メーカーの
売りが観測されたことも重しになった。
<ISMだけでは力不足>
ともに売られたドルと円の通貨ペアは、24銭と狭い値幅で推移した。前週末はISM
製造業景気指数の発表後に81.15円まで上昇したが、後半になって80円台に再び下
落。ISM指数を受けて米金利が上昇し、日米金利差の拡大が意識されたものの、その後
にドルが対ユーロで売られたこともあり、ドル/円がレンジ相場から抜け出すには力不足
だった。
「(市場は)ISM一発だけではなかなか米景気の力強い回復ストーリーに気持ちを切
り替えることはできない」(外為どっとコム総合研究所の植野大作社長)との声が聞かれ
た。「最近の米経済指標は一部の人が期待しているほど弱くもなく、一部の人が期待して
いるほど強くもない。そのためドル/円は上値もそこそこ追及すると下落してくるし、下
値も79円台に差し込むと息切れする」(同)という。
(ロイターニュース 久保 信博記者)