ドル/円
午後3時現在 96.17/20 1.3830/33 132.93/04
正午現在 96.81/85 1.3802/07 133.66/71
午前9時現在 97.61/64 1.3773/77 134.48/50
NY17時現在 97.85/89 1.3784/90 134.98/06
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[東京 16日 ロイター] 午後3時現在のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午
後5時時点から下落し96円前半。一時96.08円と4日以来、一週間半ぶり安値をつ
けた。これまで売り込まれたドルや円をポジション調整的に買い戻す動きが引き続いてい
る。ユーロ/円は今週初の高値からきょうまでに5円の下げとなった。
海外市場の流れを引き継ぐ形で、アジア時間もドルと円が上昇。特に円は、外貨建て債
の償還・利払いに絡むまとまった円買い需要があるとの観測から買い仕掛けが活発化した。
ユーロ/円は一時132.75円と5月28日以来2週間半ぶりの安値を更新。英ポンド
/円
/円
整となった。
クロス円で円が全面高となったことで、円買いは対ドルにも波及。ドル/円は一時
96.08円と週初の高値から2.5円の下げとなった。この日の東京市場では、ドル/
円やクロス円で償還に絡むと見られる売りに加え、短期筋や個人投資家など幅広い向きの
売りが出たという。
市場では、円急伸の背景となったのは「傾きすぎたポジションの調整」(外銀)とする
声が多数出ている。前週末の主要8カ国(G8)財務相会合が手掛かり難に終わり、急騰
してきた米金利や原油先物、底堅い動きが続いた株価、じり安基調だったドルなどが軒並
み「調整が入りやすいタイミング」(邦銀)となる中、クロス円に償還需給が加わったこ
とで、じり高が続いてきた反動と相まって急速な下落につながったとの見方だ。
日銀はきょうの金融政策決定会合で、市場予想通り政策金利を0.1%前後に据え置く
とともに、景気の現状を「大幅に悪化したあと下げ止まりつつある」と前月の「悪化を続
けている」から上方修正した。発表を受けて円は小幅に上昇したが、この日は「円買いが
勢いづいているため、一段の(ドル/円の)下攻めを狙いたい向きが少なくない」(別の
邦銀)といい、ドルやユーロを対円で売り仕掛ける口実とされた面が強かったという。
<資本フローに変化>
米財務省が16日に発表した4月の海外投資家による対米証券投資は532億ドルの
売り越しとなった。前月は250億ドルの買い越しだった。4月の米貿易赤字は292億
ドル。
海外投資家による需要の指標となる長期有価証券(株式スワップ等除く)は112億ド
ルの買い越しとなったが、前月の554億ドルから買い越し幅が大幅に縮小した ロシア
のクドリン財務省は13日、国際的な準備通貨としての米ドルの役割が近い将来変化する
可能性は低いとの見解を明らかにした。このコメントを受け、主要新興国がきょうのBR
ICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)首脳会議を前にドル資産を圧縮するのではな
いかとの観測が後退し、ドル相場がサポートされた。
しかし、米財務省のデータによると、ロシアの財務省証券保有は4月末に1370億ド
ルと、3月末の1384億ドルから縮小している。
他方、米国人投資家による対外証券投資に伴う資本流出は、4月中に230億ドルとな
り、3月の10億ドルから急増。ネットでの対米資金流入額の大幅減に貢献した。
「米国人にも見放されているものを、なぜ外国人が買い続けられるのか」(証券会社)
との声も聞かれる。
現在のレートは
(ロイター日本語ニュース 基太村真司記者)
※(shinji.kitamura@thomsonreuters.com;03―6441―1791;ロイターメッ
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