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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、様子見ムードのなか売りは慎重に

発行済 2017-12-11 17:25
更新済 2017-12-11 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、様子見ムードのなか売りは慎重に
今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想したい。
前週末に発表された米国の11月雇用統計でインフレ鈍化への警戒感から、積極的なドル買いは手控えられる見通し。
ただ、米税制改革法案の成立期待でドル買いに振れやすい地合いに変わりはなさそうだ。


8日に発表された米国の11月雇用統計は失業率が予想と一致し、非農業部門雇用者数は予想を上回ったものの、同雇用者数の10月分は下方修正された。
また、平均時給については前年比で10月を上回ったが、予想よりも弱い内容となり、特に10月前月比がマイナスに下方修正されたことが目立った。


10月31日-11月1日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(11月22日公表)では物価上昇率の伸び悩みを懸念した見解もあった。
今週開催のFOMCでは前回の会合以上にインフレ鈍化を警戒する声が高まる可能性が濃厚となり、今晩の取引では来年の利上げペースの鈍化への思惑からドル売りもみられそうだ。


また、雇用統計では、広義の失業率を示すU6失業率が8.0%と、2006年12月以来の低水準となった10月の7.9%から改善はいったん収束。
さらに労働市場から撤退した人が労働市場への復帰を示す労働参加率も、11月は10月から横ばいとなるなど、雇用情勢の改善は一服したとの見方もできる。


ただ、今週のFOMCでは利上げがほぼ確実視されており、足元でドル売りは慎重になりやすい。
今晩の海外市場では、24時発表の米国の10月JOLT求人件数はこの15年間での最高水準が続く見通しで、ドル買い材料になりそうだ。
また、米税制改革法案の年内成立を見込んだドル買いの基調に変わりはなく、113円台を大きく下回る展開は想定しにくい。
(吉池
威)

【今日の欧米市場の予定】
・24:00 米・10月JOLT求人件数(予想:610.0万人、9月:609.3万人)
・01:30 米財務省3年債入札(240億ドル)
・03:00 米財務省10年債入札(200億ドル、リオープン)


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