Investing.com - 人民元が対ドルで下落している。米中貿易戦に加え、中国人民銀行が預金準備率を引き下げ11.8兆円に相当する流動性を提供するという発表が背景にある。
人民銀は24日、国内銀行の「預金準備率(RRR)」を7月5日付で0.5%引き下げることを発表。現在の預金準備率は大手銀行で16%、小規模銀行で14%となっている。中国政府はこの預金準備率を流動性管理のツールとして使用している。
今回の引き下げ自体は広く予想されていたものだが、引き下げ幅がちょっとしたサプライズだった。今回の引き下げで、実に約7000億元が貸し出しに回ることになる。人民銀はまた、流動性は高水準にあるとものべている。
人民元は対ドルで下落傾向にある。先週金曜日に5カ月最低値となり、月曜に人民銀は基準値を6.4893に設定している。これは対ドルの基準値としては5カ月で最低だ。
アジア時間で月曜午前のセッションでも元は引き続き下落。USD/CNYペアは米東部標準時で午後10時(グリニッジ標準時で午前2時)の時点で6.5174となり、0.42%の上昇をみせている。
円は月曜午前に対ドルで上昇。USD/JPYは0.43%下落し109.50となった。
6つの主要通貨に対するドルの価値を測る米ドルインデックスも月曜午前に下落し94.4960となった。今年4月以来ドルは強い動きを見せているが、貿易戦も市場を揺り動かしはじめたようだ。
また、先週金曜日には石油価格が急進しオーストラリアドルも上昇。石油価格の上昇とドルの弱含みがオーストラリアドルの回復につながったようだ。 月曜午前にはやや反落USD/AUDしている。