トランプ米大統領が2000億ドルの中国製品に対する関税引き上げについて脅しをかけた後も、ドルと元は横ばいに推移した。ウォールストリートジャーナルとのインタビューで、トランプ氏は、今週末の習近平国家主席との貿易協定交渉に失敗した場合、残りのすべての中国からの輸入品に関税を課すと述べた。
両首脳は、11月30日にアルゼンチンで開催されるG20で会談する予定だ。トレーダーらはこれまで、首脳会議が米中間の貿易摩擦を緩和させることを期待していた。
ドルインデックスは96.893でほとんど値動きがなかった。利上げを何度行うかのヒントを探るため、トレーダーたちは、水曜日(日本時間では木曜午前2時)の連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演とその翌日(日本時間では金曜午前4時)のFOMC議事録の公表を待っている。
「市場は、パウエル議長が、FRBの利上げ予想に大幅な調整を加えたかどうかについて、彼が述べることに注目している」と楽天証券の最高執行責任者(COO)であるNick Twidale氏は語った。「世界経済の成長が減速するとの認識は、ドルに対してマイナスとなっている」とも述べた。
一方、中国人民銀行(PBOC)が元の基準金利を前日の6.9453を上回る6.9463と設定したことから、 USD / CNYは0.1%上昇して6.9480となった。
米国と中国の間の貿易摩擦が高まっているにもかかわらず、世界的なリスク選好のバロメーターと考えられているオーストラリアドルは、ドルに対して強かった。 AUD / USDは0.24%高の0.7236となった。
安全通貨である円は、ドルに対して0.11%の上昇となった。
ブレグジットの懸念が引き続き上値をおさえた GBP / USDは0.12%安の1.2813だった。通貨戦略担当マネージングディレクターのキャシー・リエン氏は、「英議会は12月11日に投票する。それまでは最終結果が出ない限りレンジ内での取引となるだろう」と述べた。