5日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。
ユーロ圏経済の減速懸念やブレグジットの不透明感を背景に欧州通貨売りを受けたドル買いが見込まれる。
ただ、トランプ米大統領の一般教書演説への警戒感からドル買いは後退しよう。
前日の海外市場では材料難のなか、1日に発表された米国の堅調な雇用統計などを手がかりにドル買いに振れ、ドル・円は昨年12月31日以来の110円台を回復。
本日のアジア市場で110円付近の利益確定売りに押されながらも、ドル買いの流れは続き110円台定着を目指す展開。
豪準備銀行が市場の予想通りに政策金利据え置きを決めたが、市場は雇用情勢の改善に比較的強気なニュアンスを感じ取り、豪ドルやNZドルなどが対ドルで強含んだ。
一方、今晩の英国の1月サービス業PMIやユーロ圏の12月小売売上高はいずれも低下が予想され、ポンドやユーロは売られやすい地合いとなりそうだ。
欧州通貨売りの影響でドル買い基調が続けば、ドル・円は110円台での取引が見込まれる。
ただ、今晩発表される米国の1月ISM非製造業景況指数も低下が予想されることから、景気減速や連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止が意識され、ドル売りが出やすい地合いとなろう。
また、当初1月29日に予定されていたトランプ大統領の一般教書演説が今晩にずれ込み(日本時間6日午前)、焦点となる見通し。
メキシコとの国境付近の壁建設をめぐる費用の予算計上で、改めて強硬姿勢を示すとみられる。
一部の政府機関の閉鎖は解除されているが、議論の紛糾で再び閉鎖に向かうとの警戒感からドル買いは後退するだろう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:55 独・1月サービス業PMI改定値(予想:53.1、速報値:53.1)・18:00 ユーロ圏・1月サービス業PMI改定値(予想:50.8、速報値:50.8)・18:30 英・1月サービス業PMI(予想:51.0、12月:51.2)・19:00 ユーロ圏・12月小売売上高(前月比予想:-1.6%、11月:+0.6%)・23:45 米・1月サービス業PMI改定値(予想:54.2、速報値:54.2)・24:00 米・1月ISM非製造業景況指数(予想:57.1、12月:58.0←57.6)・03:00 米財務省3年債入札(380億ドル)・トランプ米大統領が一般教書演説