米中貿易協議の影響を受け米ドルが揺れ動く中、ブレクジットの動向を見守るヨーロッパの両主要通貨とともに、ヨーロッパの外国為替市場は静かにスタートした。
欧州連合は水曜日のEUサミットで、先週金曜日の英国のEU離脱延期要請を認めるかどうかを決定する必要がある。
特にアイルランド経済をひどく混乱させるような「英国の合意なきEU離脱」が引き起こされるのを避けるために、EUは短い延期を認めることが予想されている。しかし、フランスのマクロン大統領は、イギリスが離脱をする際にEUを混乱させることを避けるため、延期に対して厳しい政治的態度を望んでいると示唆した。
午後6時35分時点で ポンドは0.15%上昇し1.3055ドル、EUR/GBPは0.02%高の0.8608とほとんど変化がない。EUR/USDは0.22%高の1.1239ドルで、予想を下回るドイツ貿易収支にも関わらず先週の安値を下回っていない。
ドルインデックスは96.833であり、金曜日に発表された非農業部門雇用者数の急激な回復と弱い平均賃金を示した米国の雇用統計によってサポートされた。
雇用統計はトランプ大統領から受ける政治的圧力が高まっているために、FRBが今年政策金利を引き上げることはできず、引き下げる可能性さえあることを示した。しかし、利下げを期待するには余りにも雇用者数が多いと感じる人も多い。
資産運用会社のブラックロック(NYSE: BLK)のマルチアセットストラテジストチーフである Isabelle Mateos y Lago氏は、「米雇用統計は非常に心強いものです。FRBが少なくとも今年の終わりまで「金利の据え置き」をすると考えています」とブルームバーグTVで語った。
その他では、 トルコリラは、トルコがロシアの防空システムの導入を決定したこと受け、トルコと米国間での緊張が高まることを懸念した下押し圧力を受け続けている。 米国はトルコのF-35関連機器の受注に対する出荷を停止した。