米ドルは中国元に対し4か月ぶりの高値を付けている。一方、米中貿易協議の状況悪化を受け、安全資産としての日本円・スイスフランに対しては安値となっている。
日本時間13日午後4時18分時点で米ドル/日本円ペアは0.27%安の109.65となっている。
これは中国輸入品に対する追加関税が開始した10日に記録された3か月ぶりの安値に肉薄している。
一方、中国元に対しては4か月ぶりの高値となる6.8668を付けている。
トランプ米大統領は10日に中国製品に対する関税を従来の10%から25%へと引き上げたが、双方は協議決裂を免れるべく交渉を続けた。
中国がどのような報復手段を取るのかは未だ明らかになっていない。
ブルーベイ・アセット・マネジメントのシニアポートフォリオマネージャーであるAnthony Kettle氏は、貿易戦争の決着には時間を要するため、結果として第2四半期の世界的な経済成長が損なわれる恐れがあると述べた。
同氏は「通商合意が今週調印されるとの市場予測に対して、大きな変化をもたらした」とした。また、「貿易の不確実性は市場に優しくない。経済指標が上向いたとしても、我々はより注意深い立場を取らざるを得ない」との考えを発した。
ドルインデックスは97.340を付け、安全通貨に対する安値が豪ドルや加ドル等の他のリスク性通貨に対する高値により相殺されたことから、実質的には変化がない結果となった。
ヨーロッパでは経済指標発表が少なく、ユーロやポンドは小動き。メイ政権と労働党の協議再開を前にして、メイ首相への圧力が高まっている。また、2019年欧州議会議員選挙における政治的操作によって、ポンドが値下がりする可能性もある。