ポンドはここ1か月比較的落ち着いていたが、ブレグジット問題が再浮上したことで4か月ぶりの安値を付けている。
合意なき離脱の懸念が再浮上したことで、日本時間17日午後6時25分時点でポンドは1.2772ドル、対ユーロで1.1438となっている。
メイ英首相が離脱協定法案の通過如何によらず、退陣スケジュールを6月に発表するという報道がなされた後、ポンドは下落した。
離脱協定法案の審議と採決は6月第1週に行われるが、可決される見込みは薄い。
EU離脱に対する保守党の現在の情勢を考慮すると、合意無き離脱に反対するブレグジット推進派がメイ首相の後釜に座ることになる可能性がある。
また、16日ポンドが下落した理由としては、合意なき離脱もやむなしとする強行離脱派のボリス・ジョンソン前外相が出馬に意欲を示したことが挙げられる。
一方、中国経済指標が下振れしたことを受け、米ドルは中国元に対し高値圏で取引された。
公式レートが昨年12月以来初めて6.90を上回ったものの、オフショア人民元は6か月ぶりの安値となる6.9449を付けた。
中国国営通信社の新華社は、「協議を進めるにあたって米国には誠意が見られない」とコラムに記した。「仮に米国側が中国国民の意思を無視するならば、中国側からは良い返事が得られないだろう」
米中貿易協議が緊迫する前に集計されたデータに基づいているにも関わらず、中国の4月鉱工業生産と小売売上高は大きく減少した。
オランダ金融サービス大手INGのエコノミストであるIris Pang氏は、「5-6月も低調な経済指標が続けば、中国の2019年GDP成長率は前年比6.0%鈍化するだろう」とした。
同氏は一方で、貿易協議が当時良好に進行していたことを考慮すると、4月中国経済指標の減速は、経済刺激策を行う緊急性が軽減されたことを反映している可能性があると指摘した。またこの緊急性は現在では容易に再燃しうると付け加えた。
ドル円は下落しているものの、ドルインデックスは日本時間17日午後6時25分時点で97.725まで回復している。