8日の金先物は、1500ドル台に乗り高値を付けた後、下落している。
午後4時36分時点での、ニューヨーク商品取引所(COMEX)12月限の金先物は0.65%安の1509.65ドルとなっている。
中国人民銀行は8日朝、人民元取引の目安となる基準値を1ドル=7.0039元に設定し、アジア株式市場は上昇した。今週に入ってから、基準値より元安水準の7元台での取引が続いていた。8日設定の基準値は2008年以来最低の水準だが、市場予測よりは高い値であった。
先週のトランプ大統領による中国輸入物品3000億ドル相当に対する10%の追加関税を9月1日より開始するとの表明を受け、今週に入り米中貿易戦争が激化する中で安全資産の金は上昇してきた。
中国の金融規制当局による元安の容認によって、米中関係の悪化をたどっている。これによる経済・政治的不透明性の高まりへのヘッジ手段としての安全資産需要が高まり、既に上昇基調にある金価格を更に押し上げる形となった。