本日発表された強い中国の輸出と人民元の下落を抑えるための中国の対応が、エスカレーションしていた米中貿易戦争に対する投資家の懸念を落ち着かせたため、木曜日のドルの値動きは安定していた。
7月の中国の輸出は2%の低下というアナリストの予想を下回り、前年比で3.3%増加した。また中国人民銀行は基準値を 2008年以来初めての7元以上に設定した。ただし、予想よりも元高の設定だったため、市場はこれを好感した。
ドルインデックスは午後5時30分時点で97.262となっている。
「中国当局の担当者からの最近のコメントは、人民元を安定させたいと思っていることを示唆しています。もし安定しなければ急激な通貨下落が資本流出を促進する可能性があるからです。リスクセンチメントを助長するもう1つの要因は、中央銀行の利下げの拡大です」とロンドンのCredit AgricoleのFXストラテジストであるManuel Oliveri氏は述べた。
今週、ニュージーランドとインド、タイが利下げを行なったことで、他の主要な中央銀行が金融緩和を行うというマーケットの期待が高まった。
実際、9月のFOMCにおける0.25%以上の利下げに対する市場の期待は、債券市場に織り込まれている。
これらの要因により、ドルはユーロと円に対して下落した。ドル/円は0.16%安の106.08円となった。昨夜には105.50をつけており、これは1月4日の時に次ぐ円高だった。
「今のところ、円高は鈍化しているかもしれませんが、長期的には円は上昇し続けるでしょう。ちなみに特にニュージーランドドルは著しく弱くなっており、これが円を押し上げる一助になっています」とIG証券のシニアFXストラテジスト、石川順一氏は語った。
ドル/NZドルは、利下げ後の水曜日に3年半ぶりの最低値である0.6378へ下落したが、本日は0.6462と反発している。