先週の新興市場では、日経平均と同様にマザーズ指数や日経ジャスダック平均も急落する場面があった。
中国人民元の切り下げなどから米中対立の一段の激化が懸念され、新興市場でもリスク回避目的の売りが先行。
マザーズ指数は8月6日、取引時間中の年初来安値836.00ptを付けた。
その後は過度な懸念が和らぎ下げ渋ったが、3連休を控え週末にかけての戻りは限定的だった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.9%であったのに対して、マザーズ指数は-2.3%、日経ジャスダック平均は-1.8%だった。
個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ (T:4385)が週間で8.4%安。
前期が赤字拡大で着地している。
ただ、そーせいグループ (T:4565)が同4.3%高、Sansan (T:4443)が同3.3%高とその他時価総額上位は比較的堅調だった。
売買代金上位ではジーエヌアイグループ (T:2160)が利益確定の売りで値を崩し、インパクトHD (T:6067)は調整基調が継続。
また、決算発表で材料出尽くし感が広がったリンクバル (T:6046)が週間のマザーズ下落率トップとなった。
一方、直近IPO銘柄のブシロード (T:7803)やゲーム関連のバンク・オブ・イノベーション (T:4393)などが買われ、今期大幅増収見通しのホープ (T:6195)が上昇率トップだった。
ジャスダック主力では、好決算の日本マクドナルドHD (T:2702)が同3.8%高、ワークマン (T:7564)が同3.8%高と堅調だったが、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同3.7%安となった。
売買代金上位ではUTグループ (T:2146)やメイコー (T:6787)に決算を嫌気した売りが出て、ビーマップ (T:4316)が週間のジャスダック下落率トップだった。
反面、オリコン (T:4800)は大幅増益決算が好感され、ホーブ (T:1382)などとともに上昇率上位に顔を出した。
IPOではステムリム (T:4599)が新規上場したが、需給懸念などが先行し、公開価格を下回る初値形成となった。
今週の新興市場では、マザーズ指数が値を戻す場面も出てきそうだ。
通商問題を巡る米中の応酬が続き、個人投資家の懸念は依然として強く、株式相場の先高観が高まっているとは言えない。
一方で日経平均やドル・円相場は下値の堅さも見せており、一定の安心感につながる可能性がある。
主要企業の決算発表がおおむね一巡し、再び投資家の関心が中小型株に向かいやすい点も追い風。
成長期待の高い中小型株にはしっかりした買いが入っている印象を受ける。
ただ、お盆休み期間となるため商いは細りやすいだろう。
今週は、8月13日にオイシックス・ラ・大地 (T:3182)、FFRI (T:3692)、ラクス (T:3923)、ユーザベース (T:3966)、そーせい、14日にメドピア (T:6095)、フェローテックHD (T:6890)、日本ホスピスHD (T:7061)、プレシジョン・システム・サイエンス (T:7707)、サイバーダイン (T:7779)、16日に総医研HD (T:2385)などが決算発表を予定している。
メドピアなどは前四半期まで業績好調。
ラクスや日本ホスピスも成長期待が高いが、ラクスは投資を強化する方針を示している。
IPO関連では、ピー・ビーシステムズ {{|0:}}(9月12日、福証Q‐Board)の新規上場が発表されている。
ただ、およそ1カ月のIPO休止期間となる。
目先は決算を手掛かりとした物色が中心となるだろうが、この期間中に直近IPO銘柄の見直しの動きが出てくることも想定される。