以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家大野芳政氏（ブログ「証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」」を運営）が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
----※2019年9月7日18時に執筆株式市場では国内外の証券会社やシンクタンク各社から毎日、多数のアナリストレポートがリリースされています。
もともと、大口の売買注文を出す機関投資家向けに書かれていましたが、最近では一般の個人投資家にも提供されており、目にする機会も多いのではないでしょうか。
個別株のレポートでは、証券アナリストがファンダメンタル分析を基づいて個別株の企業価値を算出し、現在の株価に対する「割安・割高」から「買い(強気)・中立・売り(弱気)」などの株価レーティングを付与しています。
レポートがリリースされた直後は、一時的に値動きが大きくなるため、こうしたレーティングの情報を材料に売買する個人投資家も少なくありません。
ただし、銘柄によっては、寄り付きが天井になってしまうことも多々あるため、レーティングに期待して買ったら高値を掴んでしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。
はっきり言うと「レーティング引き上げ＝儲かる」は間違いです。
「玉」よりも「石」の方が多いため、これだけでは勝率としては低いと考えた方がよいでしょう。
しかし、「玉」と「石」を見分けることができたらどうでしょうか。
勝率はぐんと上がります。
「玉」と「石」の違いはなんなのか。
証券アナリストの「大野芳政」が株価レーティングを15年間以上、研究し続けた結果、いくつかの法則を発見しました。
そこで、レーティング公開後の値動きが一巡した銘柄から、短期だけでなく、中長期的にも上値余地が大きく残っている注目銘柄を紹介します。
☆今週の2銘柄はこちら！！■ソニー (T:6758)東海東京調査センターが9月4日に投資判断を「Neutral（中立）」→「Outperform（強気）」に、目標株価を5,500円→8,000円に引き上げたことが伝わっています。
レポートの内容は、「世界トップシェアのイメージセンサーの需要がスマートフォン向けに好調を維持しており、20年3月期は一時損益を除く調整後営業利益は8,800億円と過去最高を更新見込み」という、上場企業の減益予想が相次ぐ中でインパクトの強い内容です。
短期的には会社計画の上方修正が期待でき、中長期的にも「プレイステーション5（PS5）」の投入による成長が見込まれるなど材料は豊富です。
全体相場が下落から持ち直す際には、同社のような堅調な業績の大型株には物色が向かいやすいため、当面は良好なパフォーマンスが期待されると考えます。
■協和エクシオ (T:1951)岩井コスモ証券が9月3日に投資判断を「B+（やや強気）→A（強気）」に、目標株価を2,900円→3,100円に引き上げたことが伝わっています。
注目すべきは、海外景気の影響を受けにくく、業績が安定しているディフェンシブ銘柄であることです。
PBR（株価純資産倍率）も1.1倍程度と割安感が強く、この手の銘柄は全体相場が不透明な中で買われやすい傾向があります。
またレポートでは、「5G（第5世代移動通信システム）関連の案件が動きだし、今期業績が上振れする可能性が浮上している」と伝えており、旬のテーマであることから、投資家の物色意欲に火をつける可能性がありそうです。
仮にこれが小型グロース株であれば、刹那的な上昇で終わってしまうことが多いようですが、同社のような大型バリュー銘柄は息の長い相場に発展する可能性が高いと見ています。
----執筆者名：大野芳政ブログ名：証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」