先週の新興市場では、日経平均と同様にマザーズ指数ももみ合いとなった。
マザーズ指数は週前半に7月以来となる920pt台を回復する場面もあったが(取引時間中)、その後は目先の利益を確定する売りが出て上値の重い展開となった。
小型の材料株や直近IPO銘柄の循環物色が続いたものの、マザーズ指数を一段と押し上げるには至らなかった。
一方、日経ジャスダック平均は週末まで11営業日続伸となっている。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.3%であったのに対して、マザーズ指数は-0.4%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で5.7%安となったものの、Sansan (T:4443)が同1.9%高、そーせいグループ (T:4565)が同1.2%高となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまち。
ティーケーピー (T:3479)は手仕舞い売りがかさみ同10.0%安となった。
また、Welby (T:4438)やインパクトHD (T:6067)は前の週に上昇した反動で、週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。
反面、売買代金上位では直近IPO銘柄のトゥエンティーフォーセブン (T:7074)、業績上方修正を発表したジーエヌアイグループ (T:2160)が大幅高。
また、中村超硬 (T:6166)が週間のマザーズ上昇率トップとなった。
ジャスダック主力ではワークマン (T:7564)が同4.5%高。
11月の既存店売上高が2割強の増収となった。
セリア (T:2782)も同2.4%高と堅調。
日本マクドナルドHD (T:2702)は11月の月次動向がサプライズに乏しく、同0.6%安となった。
売買代金上位では日本一ソフトウェア (T:3851)が配信再開したゲームの好調を受けてリバウンドし、好決算と政府経済対策を巡る思惑から買いを集めたウチダエスコ (T:4699)が週間のジャスダック上昇率トップだった。
反面、ピープル (T:7865)やタツミ (T:7268)が下落率上位に顔を出した。
IPOでは名南M&A {{|0:}}が名証セントレックスへ新規上場し、公開価格を4割強上回るしっかりした初値を付けた。
今週の新興市場では、中小型株の循環物色が続くだろうが、マザーズ指数を一段と押し上げるには至らないか。
今週から12月のIPOラッシュが始まるが、大型案件が多数控えているため、個人投資家のブックビルディング参加に伴う資金拘束が強まっていると考えられる。
また、新規上場銘柄が物色を集めそうだが、マザーズ指数への直接的な影響はない。
中小型株物色はなお活発で、先高期待も大きく後退していないようだが、より少額の資金で値幅が出る小型株選好が強まる可能性がある。
今週は、12月9日にGA technologies (T:3491)、10日にトビラシステムズ (T:4441)、シルバーライフ (T:9262)、12日にセルソース (T:4880)、13日にツクルバ (T:2978)、モルフォ (T:3653)、スマレジ (T:4431)、サンバイオ (T:4592)、ジェイック (T:7073)、ブシロード (T:7803)などが決算発表を予定している。
賑わいが続くセルソースは上場後初の決算発表となる。
IPO関連では、12月10日のALiNKインターネット (T:7077)とテクノフレックス (T:3449)を皮切りに今週4社が新規上場する。
天気予報専門サイト運営のALiNKは小型のマザーズIPOとして初値期待が高まっており、クラウドファンディング運営のマクアケ (T:4479)もやや大型ながら時流に乗るビジネスで関心を集めているもよう。
医療・介護向け求人サイトなどのメドレー (T:4480)は需給懸念が先行しそうだが、実態面への評価は比較的高いようだ。