7日の香港市場は値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比89.43ポイント(0.33%)安の27404.27ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.17ポイント(0.55%)安の10705.17ポイントとそろって5日ぶりに反落した。
売買代金は994億800万香港ドルに縮小している(6日は1317億2600万香港ドル)。
中国実体経済の落ち込みが改めて不安視される流れ。
新型肺炎の拡大に歯止めがかからないなか、ホンダは6日、湖北省武漢市の乗用車工場について、稼働再開の時期を再延期すると報告した。
セメント台湾最大手の台湾水泥(台湾セメント:1101/TW)も同日、中国に置く一部工場の操業再開を当初予定から先送りすると発表している。
中国各地で都市封鎖や交通規制が実施されるなか、「生産を再開しても連休に帰省した労働者は工場に戻れない」との声も聞かれた。
中国当局は「肺炎対策」に本腰を入れているものの、状況を確認したいとするスタンスも根強い。
中国貿易月次統計の発表を控え、結果を見極めたいとするムードも漂った(引け近くに、「1月分は2月分とまとめて公表」と報道)。
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.6%安、国営石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.7%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が2.0%安と下げが目立った。
セクター別では、石油や石炭、天然ガスのエネルギー関連が安い。
上記した中国海洋石油のほか、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.4%、中国中煤能源(1898/HK)が1.8%、中国神華能源(1088/HK)が1.7%、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が5.0%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.2%ずつ下落した。
中国不動産セクターもさえない。
上述した華潤置地(1109/HK)に加え、世茂房地産HD(813/HK)が2.1%安、融創中国HD(1918/HK)が2.0%安、中国海外発展(688/HK)が1.8%安、保利置業集団(119/HK)が1.6%安と値を下げた。
半面、オンラインソフトやネットゲームなどの銘柄群は物色される。
網龍網絡HD(ネットドラゴン・ウェブソフト:777/HK)が16.2%高、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が9.8%高、中手遊科技集団(302/HK)が7.0%高、IGG(799/HK)が4.9%高で引けた。
肺炎拡大の影響で利用者が増えるとの観測が広がっている。
網龍網絡に関しては、同社のオンライン教育プラットフォーム「網教通」が福建省福州市の公式提携先に選択されたことが再び注目された。
このほか、オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が4.0%高、医療サービスアプリ「平安好医生」運営の平安健康医療科技(1833/HK)が2.2%高と値を上げている。
一方、本土市場は4日続伸。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.33%高の2875.96ポイントで取引を終えた。
ハイテク株が高い。
メディア関連株、食品飲料株、航空・防衛関連株、公益株の一角なども買われた。
半面、金融株は安い。
医薬品株、自動車株、資源・素材株、運輸株、インフラ関連株も売られた。
【亜州IR】