[ニューヨーク 18日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで約3年ぶりの高値に上昇した。ドイツの景気指数が大幅に低下したことを受けた。
ユーロ (EUR=)は0.38%安の1.0793ドル。2017年4月以来初めて1.08ドルを割り込んだ。
ドイツ欧州経済センター(ZEW)が18日に発表した2月の独ZEW景気期待指数は8.7と、前月の26.7から大きく低下した。中国を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大で世界貿易が阻害され、ドイツの製造業が一段と悪化するとの懸念を背景に、エコノミスト予想の21.5を大幅に下回った。
ウエスタン・ユニオン・ビジネスソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「景気指数低下の大きさは21日に発表されるドイツとユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)が同様に弱い内容になるお膳立てをした可能性がある」と述べた。
一部アナリストの間では、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な供給網と中国の内需が阻害され、その結果、第1・四半期のドイツ成長率が軟調になるとの懸念が出ている。
一方、米経済が他国に比べ底堅さを示していることから、主要通貨に対するドル指数 (=USD)は4カ月半ぶりの高値で推移。他の安全通貨であるスイスフランや円も強含んでいる。
ジェフリーズのマネジングディレクター、ブラッド・ベクテル氏は顧客リポートで「ウイルス問題が終息し、世界各国の刺激策による効果が表れ始めないと、ドルに下向き圧力はかからないだろう」と指摘した。
米連邦準備理事会(FRB)は19日、1月末の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。
オフショア人民元は0.3%下落し、対ドルで8日ぶり安値の7.0109元。
世界成長や貿易との相関関係が強いとされるノルウェークローネは対ドルで0.8%下落し、19年ぶりの安値を付けた。
また、対ドルでは豪ドルが0.4%、ニュージーランドドルも0.78%下落。米アップル (O:AAPL)が新型コロナウイルスの影響で売上高目標が達成できないという見通しを示し、リスクに敏感な通貨が下げた。
ドル/円 NY終値 109.86/109.89
始値 109.71
高値 109.94
安値 109.72
ユーロ/ドル NY終値 1.0791/1.0793
始値 1.0824
高値 1.0825
安値 1.0786