(ブルームバーグ): 韓国銀行(中央銀行)は27日、新型コロナウイルスによる経済的打撃の証拠が増える中、2020年の成長率予想を2.1%と、昨年11月時点の2.3%から引き下げた。ただ、同日の金融通貨委員会では政策金利である7日物レポ金利を1.25%に据え置くことを決めた。
ブルームバーグが調査したアナリスト28人中、据え置きを予想していたのは10人で、大半が0.25ポイントの利下げを見込んでいた。
韓国中銀は会合後の声明で、新型ウイルス感染拡大の深刻度と国内経済への影響を「徹底的に検証」しつつ、金融緩和の度合いを調節する是非を判断していくと説明。影響を受ける企業が比較的割安に利用できる融資については、上限を引き上げる方針も明らかにした。
また、李柱烈総裁は1-3月(第1四半期)の国内総生産(GDP)について、マイナス成長もあり得ると指摘した。
韓国のGDP成長率は1-3月にマイナスもあり得る-中銀総裁
金利維持の決定からうかがえるのは、李総裁が現時点では低金利の金融リスクを懸念し、行動する以前にデータや財政刺激策の規模が明確になるのを待っているということだ。据え置きを予測していたエコノミストらは通貨安のほか、過熱した不動産市場や高水準の家計債務を巡る懸念を挙げていた。韓国中銀は19年に2度の利下げを実施しており、利下げ余地を残すことを望んだ可能性もある。
未来アセット大宇のエコノミスト、パク・ヒチャン氏は「韓国中銀は新型ウイルスが韓国経済の軌道を変えたかどうか、まだ判断できないでいる」と指摘。「第1四半期の成長が打撃を受けるのはほぼ間違いないが、中銀が緩和モードに戻るには幾分長期の景気見極めが必要となるだろう」と述べた。
原題:Bank of Korea Stands Pat Despite Virus Hit to Growth View (3)、*BOK’S LEE: IT’S POSSIBLE SOUTH KOREAN GDP WILL CONTRACT IN 1Q(抜粋)
(中銀の経済予測、李総裁やエコノミストのコメントなどを追加して更新します)
--取材協力:Hooyeon Kim.
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