[ニューヨーク 27日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが下落した。新型コロナウイルス対策として米連邦準備理事会(FRB)が利下げをするとの見方が強まった。ユーロは2018年5月以来の大幅高となった。
CMEグループのフェドウオッチによると、3月の利下げ確率は54.3%と前日の33.2%から上昇。欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測も高まった。
テンパスのディーリング・トレーディング部門バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「ドルの見通しが大きく反転している」と述べた。
コメルツバンクのアナリストは「利下げ期待の勢いが増している。米国の利下げ幅予想は欧州の利下げ幅予想よりもはるかに大きい」と指摘。ドルが一段と下落するかどうかは、新型ウイルスの影響が中国以外の信頼感と貿易に関する経済指標に現れるかにかかっているとした。
ドルは対ユーロ (EUR=)で3週間ぶりの安値。終盤は1.02%安の1.099ドル近辺で推移した。ドル指数 (=USD)は0.658%安の98.463。取引時間中には2月6日以来の安値を付けた。
ユーロ/ドルの1カ月物ボラティリティーは昨年10月上旬以来の高水準となった。
安全資産である米国債に資金が向かい、10年債利回り (US10YT=RR)は3日続けて低下し、1.241%と過去最低を付けた。
ドル/円は0.52%安の109.84円。安全通貨としての円への資金回帰が見られた。
オフショア人民元は1週間ぶりの高値。0.18%高の1ドル=7.008元となった。中国に対する投資家心理を表すとされる豪ドルは0.6%高の0.658米ドルと、前日付けた11年ぶりの安値から切り返した。
ドル/円 NY終値 109.58/109.61
始値 109.94
高値 110.34
安値 109.58
ユーロ/ドル NY終値 1.0998/1.1002
始値 1.0944
高値 1.1005
安値 1.0943
(表はリフィニティブデータに基づいています)