[ニューヨーク 2日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して6週間ぶり水準に下落した。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスの影響に対処するため緩和策に踏み切るとの観測が高まっている。
主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は0.53%安の97.448.一時は1月16日以来の97.176まで下げた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は先週2月28日、米経済は引き続き底堅いものの、新型ウイルスの感染拡大が経済へのリスクになっており、景気の下支えに向けFRBとして適切に対応すると表明した。[nL4N2AV4MN]
市場ではこの発言が今月17─18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを示唆したもので、各国中銀が同様の措置を取る後押しになると受け止められた。金融市場では、今月のFOMCで0.5%の利下げを行う確率が完全に織り込まている。[nL4N2AV4GC]
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「ドルにネガティブなのは、FRBが他の中銀より衝撃に対する対応の余地が大きいことだ」と述べた。
この日の指標では、米供給管理協会(ISM)が公表した2月の製造業景気指数が50.1と、前月の50.9から低下し、ロイターがまとめたエコノミスト予想の50.5も下回った。新型コロナウイルスの急速な感染拡大に伴う供給網の混乱に関する懸念を反映した。[nL4N2AV4NV]
新型ウイルスによる世界経済への影響を受け、世界の金融当局の協調対応に期待が高まっているが、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は現行マイナス0.5%からの金利引き下げには否定的な見解を示している。
ユーロは対ドルで1.13%高。
円は対ドルで0.1%高。日銀の黒田東彦総裁は2日に談話を発表し、「最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染拡大により、経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている」と指摘。その上で、日銀として「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」とした。
ドル/円 NY終値 108.30/108.33
始値 107.55
高値 108.46
安値 107.41
ユーロ/ドル NY終値 1.1132/1.1136
始値 1.1117
高値 1.1185
安値 1.1101
(表はリフィニティブデータに基づいています)