[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国株の大幅な値下がりに伴いドルが円やスイスフランに対し下落。新型コロナウイルスへの懸念が引き続き市場心理を圧迫した。
前日はトランプ大統領が新型コロナへの対応で大規模な景気対策を発表すると発言、リスク選好が持ち直し、ドルは値上がりしていた。ムニューシン財務長官は11日、政府として減税や融資保証、休業補償、中小企業や航空・観光業などへの支援を含む数千億ドル規模の経済対策を検討中と表明したが、詳細は依然として不透明だ。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)の主任市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「国内外のいずれの視点でも米国の対応に覇気がなく、投資家心理は改善しないままだ」と述べた。
ドル/円は0.9%安の104.72円と、前日付けた105.915円から1円近く下落。ドル/スイスフランは0.2%安の0.9378フラン。ユーロ/ドル (EUR=)は1.1274ドルと横ばい。ドルは通貨バスケット (=USD)に対し0.2%高の96.517。
ポンドは対ドル で0.6%安の1.2835ドル。対ユーロ (EURGBP=) (EURGBP=D3)でも0.6%安の87.87ペンス。イングランド銀行(英中央銀行)は11日、0.5%の緊急利下げを実施。新型コロナによる経済ショックの大きさはかなり不透明だが、英国の経済活動は向こう数カ月で大幅に弱まるとの見通しを示した。
短期金融市場では欧州中央銀行(ECB)が12日の理事会で0.1%利下げを行うとの見方を完全に織り込んだ。
ドル/円 NY終値 104.53/104.57
始値 104.98
高値 105.12
安値 104.24
ユーロ/ドル NY終値 1.1267/1.1271
始値 1.1325
高値 1.1351
安値 1.1258