[ニューヨーク 21日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し2週間ぶり高値に上昇。原油価格が急落する中、リスク資産回避が強まった。
主要6通貨に対するドル指数 (=USD)は0.24%高の100.19。一時は2週間ぶり水準の100.48まで上げた。
前日は米原油先物が暴落し、WTI先物5月物は史上初めてマイナス圏に陥った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた需要急減が背景。
シリコンバレー・バンクのシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏は「明らかにリスクオフの日で、これがドルを支援している」と指摘した。
一方、ノルウェークローネやカナダドルといった石油関連通貨の下げがきつく、世界経済の安定に敏感に反応するスウェーデンクローナも追随した。
アクション・エコノミクスのマネジングディレクター、ジョナサン・コフトレイ氏は「昨日の原油暴落は市場を動揺させた。一部の地域ではロックダウン(都市封鎖)から経済活動を再開しつつあるが、正常化は明らかに長い道のりになる」と顧客向けノートで述べた。
ドルはノルウェークローネ
トラン氏は、経済が回復に向かっても原油需要が供給を吸収するにはしばらくかかるとし、その問題が解決されるまで石油関連通貨がさらに弱含む可能性があるという見方を示した。
ユーロは対ドルで0.05%安。ドイツ欧州経済センター(ZEW)がこの日発表した4月の独ZEW景気期待指数はプラス28.2と、前月のマイナス49.5から改善した。
市場では、新型コロナ経済対策を協議する23日のEU首脳会議でどのような結果が出るかに注目している。
ドル/円 NY終値 107.76/107.79
始値 107.38
高値 107.89
安値 107.37
ユーロ/ドル NY終値 1.0856/1.0860
始値 1.0831
高値 1.0880
安値 1.0817