[ニューヨーク 26日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが広範な通貨に対して下落した。新型コロナウイルスに対するワクチン開発のほか、感染抑制策の緩和を受けた経済活動の再開への楽観的な見方から安全資産への需要が低減した。米中間の緊張の高まりはあまり重要視されなかった。
主要6通貨 (=USD)に対するドル指数は0.75%安の98.99。一時は98.891と、5月1日以来の低水準を付けた。
リスク選好度が上昇したことでコモディティー(商品)価格が上昇したほか、米株式市場ではS&P総合500種 (SPX)が3月5日以来初めて3000ポイントの大台を回復。アクション・エコノミクスのグローバル外為分析部門責任者、ロナルド・シンプソン氏は「経済活動の再開とワクチン開発に対する前向きなニュースで市場心理が好転した」と述べた。
米中関係を巡っては、国家経済会議(NEC)のカドロー委員長がこの日、新型ウイルスなどを巡ってトランプ大統領は中国に対し「怒り心頭」に発しており、米中通商合意の重要性は以前よりも薄れていると指摘。香港を巡る中国の対応は大きな誤りだとし、「香港国家安全法」制定の動きをけん制。ただ市場では米中間の緊張の高まりはあまり重要視されていない。
この日発表の米経済指標では、コンファレンス・ボード(CB)の5月の米消費者信頼感指数が86.6と、前月の85.7から小幅上昇。新型ウイルス感染拡大を受けた景気低迷の最悪期は脱した可能性があることが示された。
ユーロは対ドル (EUR=)で0.83%高。ドイツのシンクタンク、IFO経済研究所が公表した国内輸出企業の5月の景況感は「壊滅的」だった4月から幾分回復し、ユーロの押し上げ要因になった。
豪ドル
ドルは対円
ドル/円 NY終値 107.52/107.57
始値 107.63
高値 107.69
安値 107.41
ユーロ/ドル NY終値 1.0980/1.0983
始値 1.0953
高値 1.0995
安値 1.0953