ドル/円
正午現在 98.40/45 1.3983/88 137.68/73
午前9時現在 98.65/70 1.3973/78 137.88/92
NY17時現在 98.64/68 1.3972/78 137.76/85
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 8日 ロイター] 正午現在のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点
から反落し98円半ばで取引されている。海外ではドルが大きく上昇したものの、東京市
場では久々の高値圏とあって実需筋を中心に戻り売りが強まった。市場では、米金利の急
騰とともに進んだドル上昇の理由をめぐって見方が分かれている状況で、先行きの不透明
感が根強いとする声が複数出ている。
東京市場ではドルが反落した。海外市場で一時98.90円まで上昇し、5月8日以来
1カ月ぶり高値を更新したドル/円は、海外市場の終盤にかけて利益確定の売りに押され
て98円前半で取引が本格化。海外ファンドなどの買いに一時98.86円まで上昇した
が、上値では輸出企業などの実需筋が戻り売りに動き、98円前半へ反落した。前週末の
ドル急上昇で「短期的に市場がドルの買い持ちに傾いた」(別の都銀)ことも、ドルの上
値を押さえたという。
ユーロ/ドルも同様の値動き。東京市場で一時1.3925ドルと海外安値を小幅に下
抜け、5月29日以来1週間ぶり安値をつけたものの、正午にかけては1.40ドル台へ
切り返した。
一方、軟調ぶりが目立ったのは英ポンド
と28日以来の安値を更新した後も、安値圏でもみあいが続いた。英国で行われた欧州議
会選挙では、極右政党の英国国民党(BNP)が初の議席を獲得。与党労働党は支持基盤
が強かったウェールズでも議席を失うなど、支持が低迷した。英BBCは電子版で「労働
党の歴史的な敗北」と伝えた。英国ではブラウン首相に対する退陣圧力が一段と高まると
みられている。
東京市場ではドル高が一服となったものの、市場では見通しの不透明感を指摘する声が
複数上がっている。週明けのアジア市場は海外勢の参加が少なく、需要が片寄りがちで
「特異な値動きになりやすい」(外銀)ことに加え、この日は豪が休場で、アジア勢の中
でも参加者が少ないため「トレンドを見極めるにはもう少し時間が必要」(別の外銀)と
いう。
海外市場でドルが急伸したきっかけとなったのは、5月米雇用統計の発表後に急上昇し
た米金利。10年債利回り
進み、主要通貨に対するドルの値動きを示すドル指数<.DXY>は1日の値動きとしては5カ
月ぶりの上げ幅を記録する急騰となり、1週間ぶりの高水準をつけた。
ただ市場では、ドル上昇をめぐる見方が交錯している。5月米雇用統計の非農業部門雇
用者数の減少幅が事前予想を下回ったことに加え、米アトランタ地区連銀のロックハート
総裁が(FRBが)金融政策の引き締めに転じるまでに時間をかけ過ぎるべきではないと
の見解を示した一部報道を手掛かりに、米金利上昇の背景に「FRBの利上げ期待が台頭
した」(別の外銀)ことが背景とする声もあるが、「米財政赤字への懸念は根深く、簡単
に出口政策に対する懸念が収束することはない。(前週末の)ドル上昇は、これまで大き
く売り込まれた反動に過ぎない」(さらに別の外銀)と、慎重姿勢を見せる向きも少なく
ない。
現在のレートは
(ロイター日本語ニュース 基太村真司記者)
※(shinji.kitamura@thomsonreuters.com;03―6441―1791;ロイターメッ
セージング:shinji.kitamura.reuters.com@reuters.net)