[ニューヨーク 24日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、安全通貨である円が上昇し、4カ月超ぶりの高値を付けた。一方、ドルは売られ、約2年ぶりの安値を形成。新型コロナウイルス感染者の増加継続や米国の新型コロナ対策法案の遅れ、米中間の緊張懸念などを背景に、リスク選好の動きが後退した。
週間では、ドル指数の下げが約4カ月ぶりの大きさとなった。対ユーロの週間下落率は3月末以降で最大となった。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「新型コロナの感染第2波が全国的な経済活動の低下につながっており、回復の可能性を抑制している」と指摘。「同時に世界の他の地域では比較的ポジティブな兆候が見られる」と述べた。
来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
米国で確認された新型コロナ感染者は400万人を突破。死者は14万3000人超に上り、数千万人が失業した。
米共和党のマコネル上院院内総務は23日、追加の新型コロナウイルス経済対策法案を来週発表すると述べた。追加策では、現金の支給を拡充し、月末に失効する失業保険給付の増額措置は制度の見直しを進めつつ一部継続するという。
午後の取引で、ドルは対円
ドル指数 (=USD)は0.4%安の94.42。序盤には94.358と1年10カ月ぶりの安値を付けた。
アナリストによると、米中間の緊張もドルの重しになっている。
中国外務省は、24日午前に米国大使館に対し、四川省成都市にある総領事館の閉鎖を通知したと発表した。米政府が今週、テキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じたことへの対抗措置となる。
一方、ユーロは対ドル (EUR=EBS)で1年10カ月ぶりの高値に浮上。終盤は0.4%高の1.16415ドル。
IHSマークイットが24日公表した7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.0と、6カ月ぶりの高水準を付けた。ただ、全米で新型コロナウイルスの感染件数が増える中で需要が抑制され、新規受注は低迷した。
オフショア人民元は対ドル