ドル/円
正午現在 98.24/29 1.3870/75 136.28/39
午前9時 98.43/28 1.3926/31 137.15/20
NY17時 98.43/49 1.3894/00 136.85/95
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[東京 9日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から
小幅ドル安の98円前半で取引されている。総額650億ドルの米国債入札を控えて短期
筋が新規ポジションを手控える中、輸出企業は98円台で着々とドル売り予約を入れてい
るとされ、ドルの上値が重い展開となっている。
ドルは朝方一時98.58円まで強含んだが、その後は実需の売りに押され一時
98.23円まで軟化した。ユーロは前日、アイルランドのソブリン格下げのニュースを
きっかけに、一時1.3806ドルまで急落したが、この日の午前中は朝方の高値
1.3938ドル付近からジリ安の展開となっている。
<米短期金利>
為替市場では、米国の長短金利の動向に注目が集まっている。
米景気底入れ期待の高まりを背景に、米短期金利はこのところ急上昇している。
米国債2年物の利回り
に1.30%まで上昇。前日は米金融当局がゼロ金利政策からの出口を模索し、金利水準
を早々にノーマル化させるとの思惑で、同2年物利回りが1.422%まで上昇し、為替
市場ではドル高を誘発した。きょうの東京市場では利回りが若干低下して、現在
1.394%付近となっている。
「少し前までは米長期金利が単独で上昇していたが、当事は米金利とドル相場が負の相
関を保っていた。FRBが出口政策を採用するのは困難との見方から、インフレ懸念で、
ドル安という流れだ」とJPモルガン・チェース銀行のシニアFXストラテジスト棚瀬順
哉氏は指摘する。
だが最近では、「利上げ期待の高まりで、長期金利だけでなく、短期金利も上昇し始め
た。短期金利上昇はドルのサポート要因とみなされ、正の相関が成立している」と棚瀬氏
はいう。
テクニカル面では、短期筋によるカーブ・スティーブニングのポジションの巻き戻しが
みられるほか、「米年金ファンドのヘッジ売りもみられた」(大手証券)との指摘もある。
これらのパニック的な短期債売りが一巡すれば、短期金利の上昇も一服するとの見方が広
がっており、短期金利上昇のサポートを失うと、再びドル安リスクが表面化する可能性も
あるという。
<ユーロ、英ポンド>
ユーロは1.38ドル後半。前日の欧州時間序盤に発表されたアイルランドのソブリン
格下げのニュースをきっかけに、ユーロは一時1.3806ドルまで急降下したが、きょ
うの午前中の取引では、ユーロは動きが鈍い。ドル/円、ユーロ/円とも「投資家の売り
がみられる」(証券会社)との指摘もあり、上値が重くなっている。
欧州中央銀行(ECB)は、8日公表された調査報告書で、金融危機下の為替相場に影
響を与えた主因として、外貨準備高・経常収支・金融面での米国へのエクスポージャーを
挙げた。
ECB国際政策分析部門の責任者を務めるマルセル・フラッシャー氏は、2008年7
月1日から09年1月31日の為替相場を分析した報告書で「08年夏以降、世界の為替
相場に影響を及ぼしているとみられる要因は、外貨準備高だ」との認識を示した。「外貨
準備の対国内総生産(GDP)比が各国平均水準を下回っている国の通貨は、対米ドルで
の平均23%下落した一方、平均を上回っている国は7%しか下落していない」と指摘し
た。
同レポートの為替相場への影響は限定的だった。
英ポンドは1.60ドル後半。前日は1.61ドル前半まで急進したが、きょうの東京
時間では利食いに押される展開となっている。英ポンド高の背景としては、英国政治の安
定化がある。ブラウン英首相は8日、1週間にわたる政局混乱の責任を受け入れ、労働党
下院議員の支持を獲得、強まっていた退陣圧力を乗り切った。
「ブラウン首相退陣がらみで、ポンドを売りすぎた筋の買い戻しがみられたが、東京で
はポジション調整が主流になった」(前出の証券会社)という。
(ロイター日本語ニュース 森佳子)
(yoshiko.mori@thomsonreuters.com;03-6441-1877;
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