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ティムコは調整一巡、22年11月期黒字転換予想で収益改善基調

発行済 2022-07-08 09:14
更新済 2022-07-08 09:35
© Reuters.  ティムコは調整一巡、22年11月期黒字転換予想で収益改善基調

 ティムコ<7501>(東証スタンダード)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品分野ではフライフィッシングのパイオニアであり、アウトドア用品分野ではオリジナル衣料ブランド「Foxfire」を主力としている。22年11月期は黒字転換予想としている。屋外アクティビティとしての釣り関連市場の拡大、アウトドア事業におけるコロナ禍の影響緩和、製品価格改定効果などで収益改善基調だろう。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる形だったが調整一巡感を強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。なお7月13日に22年11月期第2四半期決算発表を予定している。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、自社オリジナルブランドのアウトドア衣料ブランド「Foxfire」を主力としている。

 21年11月期のセグメント別売上高構成比はフィッシング事業が36%、アウトドア事業が63%、その他(不動産賃貸収入など)が1%、営業利益(全社費用等調整前)はフィッシング事業が102%、アウトドア事業が▲15%、その他が12%だった。

■ブランド力向上、ネット販売強化、グローバル化を推進

 中期的な重点課題としてBRAND(ブランド力を高めるための戦略強化)、NET(インターネット活用を前提とする仕組の強化)、GLOBAL(世界に通用することを目指す商品・仕組の構築)を掲げ、基本戦略としては規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドア衣料ブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。

 またネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減なども推進している。

 なお19年4月にスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となっている。商品開発・販売などを共同展開する。21年11月にはスノーピーク、アイビック、アイビック食品、および同社の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開し、新たなアウトドアカルチャーの価値創造を目的とする新会社キャンパーズアンドアングラーズ(札幌市)を設立した。

■22年11月期黒字転換予想で収益改善基調

 22年11月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが営業利益以下への影響なし)予想は、売上高が21年11月期比12.3%増の33億13百万円、営業利益が55百万円の黒字(21年11月期は26百万円の赤字)、経常利益が59百万円の黒字(同14百万円の赤字)、そして当期純利益が43百万円の黒字(同9百万円の赤字)としている。配当予想は21年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。

 ネット通販の強化、宣伝販売促進の強化、フィッシング事業の更なる強化、直営店事業であるフォックスファイヤーストアの販売チャネル見直しや不採算店舗整理、さらに社内業務見直しによる販管費コントロールなどによって、売上および利益の拡大を図る方針としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.4%増の7億53百万円、営業利益が0百万円の赤字(前年同期は60百万円の赤字)、経常利益が2百万円の黒字(同54百万円の赤字)、四半期純利益が1百万円の黒字(同54百万円の赤字)だった。営業利益は僅かながら赤字が残ったが、増収効果などで経常・最終黒字転換した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が12百万円減少しているが、営業利益以下への影響はなかった。

 フィッシング事業は売上高が7.8%減の1億92百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が62.3%増の12百万円だった。ルアー用品が気温低下による釣果および釣行の減少の影響を受けたため全体として減収だが、フライ用品の販売が堅調に推移し、商品在庫適正化による廉価販売比率の低下も寄与して大幅増益だった。

 アウトドア事業は売上高が12.6%増の5億54百万円、利益が30百万円の黒字(同26百万円の赤字)だった。売上面は、コロナ禍の影響が和らいで百貨店やショッピングセンター等の商業施設への客足が回復傾向となり、気温の低下などで防寒衣料の販売が順調だった。利益面は増収効果で黒字転換した。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、売上高が13.9%減の5百万円で、利益が17.1%減の4百万円だった。

 通期予想は据え置いている。3密を避けた屋外アクティビティとしての釣り関連市場の拡大、アウトドア事業におけるコロナ禍の影響緩和、製品価格改定効果(21年12月からフライ関連の一部製品の価格改定を実施)などで収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが調整一巡感を強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。7月7日の終値は728円、今期予想PER(会社予想のEPS17円36銭で算出)は約42倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1809円91銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約24億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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