[東京 26日 ロイター] - 日本原燃は26日、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成目標時期を「2024年度上期のできるだけ早期」とし、2年先送りすると発表した。当初1997年の完成を目指していたが、これまでに26回延期していた。
同社は今年9月、22年度上期としていた完成目標時期について、審査が継続している状況として、見直しを発表。新たな竣工時期については年内にも公表するとして明らかにしていなかった。
日本原燃の増田尚宏社長は、「26回も工程を延期してきたというのは信頼関係を損なう内容だったので、2度とそういうことがないようにしていく」と述べた。設工認審査に1年程度、認可後の検査期間としては4ー7カ月程度が必要となることから竣工時期を「できるだけ早期」とした。「幅を持たせたことで(目標達成の)確度が高まった」と説明した。
六ケ所再処理工場は、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出し再度核燃料として使用するための施設で、年800トンの使用済み燃料を処理できる能力を持つ見通し。総事業費は既に14兆円を上回る。増田社長によると、今回の先送りによる影響は年度末頃には明らかになるという。
政府は22日のGX実行会議で、11年の東京電力福島第1原発事故以来、「脱原発」の流れにあった原子力政策を転換。原発を持続的に活用するため、廃止を決定した炉の次世代革新炉への建て替えについて、使用済み核燃料の処分などのバックエンド問題も含めて具体化を進める方針を示した。