[東京 8日 ロイター] - 8日の株式市場で任天堂が大幅に反落している。同社は7日、2023年3月期の営業利益予想を従来の5000億円から前年比19%減の4800億円に引き下げており、手掛かりになった。IBESがまとめたアナリスト21人のコンセンサス予想5817億円を大幅に下回り、株価は一時8%超安に下落した。期末配当予想も1株当たり109円から96円に引き下げた。
ゲーム機やソフトの販売減を織り込んだ。市場では「かなり悪かった印象。ポケモンの新作ソフトで状況が大きく改善するとの期待があったが、ひっくり返せなかった」(東洋証券の安田秀樹シニアアナリスト)との声が聞かれる。
「ニンテンドースイッチ」の販売計画は1900万台から1800万台に、ソフトの販売計画は2億1000万本から2億0500万本に下方修正した。通期の前提為替レートは1ドル=135円から125円に見直した。
昨年の半導体不足で今年のハードウエアのてこ入れは難しいとみられており「来期も販売台数の大幅減は避けられないのではないか」(安田氏)との見方が出ている。
古川俊太郎社長は決算会見で、次世代ゲーム機にはコメントせず、引き続きソフトのラインアップを充実させスイッチの新規購入や複数台購入の需要に応えていくとして「ビジネス全体で見ればまだまだこれからも活性化できる」と語った。値上げはソフト、ハードともに考えていないという。
賃上げについては、全社員の基本給10%増額と新入社員の初任給の約10%引き上げを明らかにした。