ドル/円
正午現在 82.60/65 1.3228/33 109.28/32
午前9時現在 82.75/80 1.3188/90 109.12/17
NY17時現在 82.78/82 1.3164/68 109.00/05
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[東京 28日 ロイター]正午のドル/円はニューヨーク市場午後五時時点に比べ若
干ドル安の82円後半。年末で取引が薄い中、対ユーロでドル安が進行したため、対円で
もドルの上値が抑えられた。ユーロはポジション調整の買い戻しが損失確定の買いを巻き
込んで急伸し、11日ぶりの高値をつけた。
午前の取引で、ドルは朝方の高値82.81円から82円半ばまでジリ安の展開となっ
た。ユーロは安値1.3160ドルから1.3250ドルまで上値を伸ばし、ユーロ/円
は108.97円から109.52円まで上昇した。
野田佳彦財務相は28日の閣議後の会見で、ここ数日の為替市場の動きは一方向に偏っ
ているとの認識を示し、年末・年始も市場の動向を注意深く見ていきたいと語った。また、
市場に過度な変動があれば、断固たる措置をとるとの姿勢に変わりはないと強調し、一段
の円高には為替介入も辞さない姿勢を示した。
<ユーロ買い戻し>
ユーロは対ドル
対円
ユーロ/ドルは200日移動平均線(単純)の1.3087ドル付近がサポートされ、
巻き戻し基調に入るとの見方が広がるなか「特段これといったニュースはなかったが、
1.3200ドルの上でストップを巻き込み、上ブレした。典型的な年末相場」(金融機
関)だという。
「市場では、来年に向けてユーロベアの参加者が多かったが、年末のポジション調整を
受けて、これらのショートが巻き戻された格好。上がれば買うというスタンスのモデル系
ファンド勢の(ユーロ)買いも出ていた」(外銀)という。
前日の海外市場でも、ユーロは1.31ドル後半まで買い戻されたが、きっかけは米銀
の破綻危機を報じた米紙の報道だったという。
ウォールストリート・ジャーナル紙は、不良資産救済プログラム(TARP)支援を受
けた米銀のうち98行が破綻の危機にある、と報じた。 同紙が第3・四半期の業績を基
に分析したもので、前四半期の86行から増加した。
これら98行へのTARPによる注入額は42億ドルに上る。 98行の大半は小規模
銀行で、9月末時点の資産中央値は4億3900万ドル。TARP支援規模の中央値は
1000万ドル。 報道によるとTARP支援行のうち、これまでに7行が破綻しており、
27億ドルのTARP資金が損失した。
<豪ドル>
中国の利上げを受けて前日一時0.9987ドルまで下落していた豪ドル
1.00米ドル台後半でしっかりとした足取りとなった。豪ドルは一時1.0080米ド
ルまで上昇し、11月11日以来約7週間ぶりの高値をつけた。
商品相場が小幅に反発していることや、中国の利上げを無難にこなしたことで、豪ドル
に買い安心感が広がっているという。
日経新聞は28日の朝刊で、第一生命保険がオーストラリア中堅生保のタワー・オース
トラリア・グループを完全子会社化する方針を固めた、と報じた。
同紙によると、第一生命は、株式公開買い付け(TOB)を通じ2011年春をめどに
タワー・オーストラリア・グループの発行済株式を全株取得する予定で、取得額は
1000億円前後の見通し。日本の生保が海外の生保を買収する案件としてはこれまでで
最大、と同紙は報じた。
為替市場への影響は、「資金手当てをどうするかは当事者とM&Aエージェントとの間
で決まる。外貨建てローンを出すかなどを含め、全ては非公開。スポット市場で一部の資
金手当てが行われれば、事後的に推測できるが、そうしたフローは今のところ見当たらな
い」(ファンド・マネージャー)という。
(ロイター 森佳子記者)