[日本インタビュ新聞社] - ■越後交通に納入、すでに静岡、山梨でも路線バスとして走行
加賀電子<8154>(東証プライム)は3月24日午後、連結子会社の株式会社エクセルがEV(電気自動車)バスの輸出入・販売を行うアルファバスジャパン株式会社(東京都千代田区、アルファバスジャパン)と共同で越後交通株式会社(新潟県長岡市)に納入した中国ALFAバス社製のEVバス2台が、新潟県内初となる大型EV路線バスとして、2023年3月19日に同県長岡市内の路線で運行を開始と発表した。
ALFAバス社製のEVバスは、日本のワンマンバス構造要件に適合しており、完全日本仕様のEVバスを提供している。すでに栃木県立日光自然博物館に低公害バスとして採用されているほか、山梨交通、しずてつジャストラインでも採用され、甲府市内や静岡市内の路線バスとして運行に使用されている。
同社製のEVバスはノンステップバス認定にも対応しており、最新のワンマン機器の搭載が可能。動力系においては、信頼性の高い日本製バッテリーを採用しており、次世代高出力充電規格である『CHAdeMO2.0』にも準拠している。併せて、モーターによるスムーズな加減速と静寂な走りは、乗客に快適な車内空間を提供し、運転手の作業負荷担を軽減する。
バッテリーからの電気で走行するため排気ガスが出ず、CO2排出量をゼロにすることが可能となるなど環境性能に優れている。また、搭載されたバッテリーは非常用電源としても使えるため、バス後部に外側から使えるACコンセントを設置することで、災害発生時の避難所などで防災ステーションとしての役割も果たす。
■ALFAバス社製EVバスの導入事例
【四国電力・三菱電機】 四国電力<9507>(東証プライム)、株式会社四国総合研究所、ならびに三菱電機<6503>(東証プライム)の3社共同で実施するEVの充放電制御に係る技術実証用に採用された。
EVは、非走行時の付加価値として、充放電の最適制御による電力のピークカットやピークシフトとともに、車載電池の余力を用いた仮想発電所(VPP)としての活用など、多様な価値の創出が期待されている。とりわけ大型商用車であるEVバスは、車載電池容量が通常のEV乗用車の5~7倍と大きいことから、VPPリソースとして有望視されている。本実証試験では、EV充放電遠隔制御システムを構築のうえ、四国電力坂出発電所において従業 員通勤用に配備した当該EVバスや、四国総合研究所に配備するEV乗用車など、様々な地点における複数台のEVを組み合わせた充放電遠隔制御機能を評価するとともに、実際の運用条件下におけるEV車載電池の有効活用に向けた検証を、2020年12月より行っている。
【栃木県立日光自然博物館】 奥日光の豊かな自然を守るため、環境に配慮した低公害バスとして採用された。これまで運行していたハイブリッドバスに代わって、新たにEVバス「しらかば号」として、奥日光・戦場ヶ原の赤沼車庫から中禅寺湖の千手ヶ浜まで9.5kmの路線を2021年4月24日より運行している。
【山梨交通】 従来のディーゼルエンジンの同型バスに比べて、1カ月の走行で2トン以上の二酸化炭素を削減するなど、ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)に大きく貢献する環境配慮面に加え、災害時の非常電源としても活用できることから、甲府市など山梨県内の路線バスとして採用された。2021年10月20日より運行している。
【しずてつジャストライン】 中部電力ミライズ株式会社が提供する水力発電由来の「静岡Greenでんき」を使用することで大型EV路線バスとしては国内初のCO₂排出量の完全ゼロを達成し、EVバス導入のメリットを最大限実現した。静岡市内の路線バスとして採用され、2023年2月13日より運行している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)