本日30日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ債務問題への警戒感から軟調に推移しそうだ。
ギリシャは30日に期限を迎えた国際通貨基金(IMF)融資16億ユーロ相当について、返済を履行しない見通しと報じられ、ギリシャがデフォルトに陥る可能性が懸念されている。
ただ、市場では、ギリシャのデフォルトよりも、5日に実施される国民投票に焦点が移っており、ユーロシステム全体への市場の信認が維持できるかどうか、注目されている。
他の市場でもギリシャ問題の影響が大きく、30日のアジア株の下落が目立ったが、その後は持ち直しており、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。
市場関係者によると、ドル・円買い材料は122円ちょうどにオプションに伴う厚い買いがあるとみており、この水準が守れるかどうかを注目しているという。
足元では122円の水準を維持しているが、ギリシャ債務問題への警戒感から、目先は123円に戻すほどの勢いは期待できないとの見方を示す。
欧州取引時間帯では、ユーロ圏の5月失業率や6月のインフレ率などの経済指標が発表される予定。
ただ、ギリシャ問題への懸念が強く、経済指標が予想の範囲内なら、それほど反応しないと指摘される。
IMFはワシントン時間の30日午後6時を融資返済の期限と設定しているが、債務の不履行ではなく、滞納として取り扱う見通し。
【今日の欧米市場の予定】 ・17:30 英・1-3月期国内総生産確定値(前年比予想:+2.5%、改定値:+2.4%) ・17:40 スティーブンス豪準備銀行総裁講演(ロンドン) ・18:00 ユーロ圏・5月失業率(予想:11.1%、4月:11.1%) ・18: 00 ユーロ圏・6月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.2%、5月:+0.3%) ・22:00 米・4月S&Pケース・シラー総合-20価格指数(前年比予想:+5.50%、3月:+5.04%) ・22:45 米・6月シカゴ購買部協会景気指数(予想:50.0、5月:46.2) ・23:00 米・6月消費者信頼感指数(予想:97.4、5月:95.4) ・ギリシャのIMFへの支払期限、第2次支援終了