[ニューヨーク 16日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが強含んだ。ただ、米連邦債務上限交渉に投資家が注目する中、方向感の定まらない不安定な取引となった。
ドル指数は0.2%高の102.61。ドル/円は0.2%高の136.315円だった。
バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長らが16日午後に行った連邦債務上限問題を巡る協議は1時間足らずで終了した。バイデン大統領は主要7カ国(G7)首脳会議(G7広島サミット)に出席するために17日に日本に向けて出発するが、21日に米国に戻り、予定していたオーストラリアとパプアニューギニアの訪問を見送る可能性がある。
歴史的に見ると米ドルは、金融ストレス下やリスク回避行動の際に上昇する傾向がある。
しかしメルク・インベストメンツの社長兼最高投資責任者、アクセル・メルク氏は「デフォルトになったときに米国債を担保にできるとは考えにくい。このため、デレバレッジが進んでいるときにドル高になるのは非常に難しい。ボラティリティーが劇的に上昇する可能性があるということ以外に、何が起こるかを予測するのは非常に困難だ」と述べた。
午後の取引では、ユーロ/ドルは0.1%安の1.0858ドル、ポンド/ドルは0.4%安の1.2478ドルとなった。
この日発表された指標について、JPモルガンのチーフエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「複数のシグナルが混在していたが、総じて良好だった。それでも、見渡す限りにある全てのマイナス材料を考えると、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が金利を据え置くとみている」と述べた。
ドル/円 NY終値 136.37/136.40
始値 135.80
高値 136.68
安値 135.76
ユーロ/ドル NY終値 1.0861/1.0865
始値 1.0893
高値 1.0897
安値 1.0856