[ヨハネスブルク/北京 24日 ロイター] - ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議は、6カ国の加盟を決定した。議長国南アフリカのラマポーザ大統領が24日、発表した。
大統領によると、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が2024年1月1日にBRICSに加わる。
ヨハネスブルクで3日間にわたって開かれた首脳会議では、加盟国の拡大が中心議題となった。5カ国全てが拡大への支持を表明する一方で、新規加盟国の数やペースについては意見が分かれた。
南ア政府筋によると、40カ国以上がBRICS加盟に関心を示しており、22カ国が正式に加盟を希望した。西側先進国中心の国際機関のリバランスを図るというBRICSの姿勢への共鳴が背景にある。
ラマポーザ氏は「BRICSは公平な世界、公正な世界、包摂的で繁栄する世界の構築に向けた取り組みで新たな門出を迎えた」と表明。「われわれは拡大プロセスの第一段階で合意した。今後さらなる段階が続く」と述べた。
ブラジルのルラ大統領は、グローバル化は約束を果たせなかったとし、今こそ途上国との協力を再活性化すべきだと訴えた。「核戦争のリスクがある」とも指摘、ウクライナ戦争を巡るロシアと西側諸国の緊張拡大に言及したとみられる。
中国の習近平国家主席は、今回の決定はBRICSの協力メカニズムに新たな活力を注入する歴史的な拡大だと指摘した。
加盟国の拡大は、他の途上国と団結し協力するという決意を反映するとし、「国際社会の期待に応えるもので新興市場と発展途上国の共通の利益に資する」と述べた。「(BRICS諸国は)いずれも大きな影響力を持つ国であり、世界の平和と発展に重要な責任を担っている」との認識も示した。
習主席は別の演説で、中国は「昔も今も、これからも発展途上国の一員」と述べ、2021年に開始した経済・社会開発促進プログラムの「世界開発イニシアティブ(GDI)」に向け、中国の金融機関が100億ドルの特別基金を間もなく立ち上げることを明らかにした。
インドのモディ首相は、BRICSの拡大は、20世紀に設立され時代遅れとなった他の国際機関の模範となるはずだと主張。「BRICSの拡大と現代化は、世界の全ての機関が時代の変化に合わせて形を変えていく必要があるとのメッセージだ」と述べた。