[上海/シンガポール 13日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は13日、香港市場で来週、手形発行を再び増額する方針を示した。市場関係者の間では人民元安に歯止めをかける狙いがあるとの見方が多い。
香港で手形を発行して市場から人民元を吸収すれば、人民元をショートにするコストが上昇することになる。
元は今年5%以上下落。他の主要国との金利差拡大や国内経済の回復の遅れが圧迫要因となっている。
人民銀行は来週19日に香港で6カ月物の元建て手形を150億元(20億ドル)発行すると表明。6カ月物としては2018年のオフショア人民元建て手形発行開始以降で最大規模となる。発行額は、来週期限を迎える6カ月物手形(50億元)を大幅に上回る。
みずほ銀行のアジア通貨担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は「人民銀行はこうした手形発行をオフショア人民元の流動性管理の常套手段にしている」とし、他の期間の手形発行も増額されていると指摘した。
人民銀行は8月に香港で350億元の手形を発行。発行額は8月に期限を迎えた手形(250億元)を上回った。3カ月物の発行額は200億元で、期限を迎えた手形の2倍だった。