Hiroko Hamada
[東京 21日 ロイター] - 午前のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(148.33/148.34円)に比べて若干ドル安/円高の148円前半で推移している。米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派サプライズによる米金利の上昇でドル高地合いが続いた。一方、ドルが約10カ月ぶり高値圏で推移する中、介入警戒感もくすぶり、上値の重さも意識された。
ドルは朝方から小動きが継続。午前の取引中盤では、米金利の上昇を受けてドルは一時148.45円まで上昇した。米2年債利回りは21日、5.1970%に上昇し17年ぶりの高水準を付けたほか、10年債利回りは4.4310%に上昇し、16年ぶりの高水準を更新した。
市場では、米金融引き締めが長期化するとの観測からドル高基調は続きやすいとの見方が聞かれた。一方で、依然として為替介入への警戒感もくすぶっており、ドルの上昇ペースは緩やかになるのではないか、との指摘もあった。
大和証券のチーフ為替ストラテジスト・多田出健太氏は「実弾介入は、去年付けた151.94円近辺の円安水準を抜けてからやるかな、という印象だが、口先介入(のトーンが)強まる可能性はある。市場も実弾介入は今はないと思っているが、そうは言っても身構えるのは間違いないだろう」と指摘。介入警戒感がドルの上値を抑える要因になっていると話した。
松野博一官房長官は21日午前の記者会見で、為替市場で円安が進んでいることに関して、市場の動向を高い緊張感をもって注視するとし、「過度な変動に対し、あらゆる選択肢を排除せず適切な対応をとりたい」と語った。
松野官房長官の会見を受けてドルは小幅に下落したが、円高がどんどん進行する動きにはならなかった。
目先のドルについては、明日結果が公表される日銀の金融政策決定会合が無風通過となれば、「ドル/円は小じっかりの展開が予想され、底堅い値動きとなるのではないか」(国内信託銀・為替営業担当)との意見が聞かれた。
ユーロ/ドルは1.0624ドル付近、ユーロ/円は157.55円付近で、いずれも朝方から下落している。