[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。朝方発表された米小売売上高は7カ月ぶりに減少したものの、市場予想ほどは落ち込まず、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期がなお不透明であることを強調した。
10月の米小売売上高は前月比0.1%減少した。市場予想(0.3%減)ほどは落ち込まなかったものの、需要鈍化を示唆した。
また、10月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比1.3%上昇した。伸びは前月の2.2%から縮小し、予想の1.9%も下回った。前月比ではガソリン価格が急落する中、3年半ぶりの大幅な下落となり、インフレ圧力が沈静化しつつあることが改めて示された。
スタンダード・チャータード・バンクのグローバルG10為替調査責任者スティーブン・イングランダー氏は「FRBの次の措置が利下げであると確実視されるまで、ドルは断続的に上昇するだろう」とし、「この日発表された指標は中立的、もしくは予想より幾分力強い内容だった」とし、「市場は米国の成長についてまだ確信を持てずにいる」と述べた。
バーンスタイン・プライベート・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ルーズベルト・ボウマン氏は「市場は来年初めの数四半期中の利下げを想定している」としつつも、「われわれはインフレ鈍化の勢いについて、市場が予想しているほど速いペースになるとは考えていない」という見方を示した。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.30%上昇した。
ユーロ/ドルは0.32%安の1.0844ドル。
CMEのフェドウォッチによると、市場が織り込む12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性はほぼなくなった。一方、2024年5月に利下げが実施される予想は65%超に高まっている。
ポンド/ドルは0.71%安の1.2408ドル。
10月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比4.6%と、9月の6.7%から鈍化し、予想を下回った。
円は対ドルで0.66%安の151.37円。
内閣府が発表した2023年7─9月期の日本の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0.5%減、年率換算で2.1%減だった。マイナス成長は3四半期ぶり。
オフショア人民元は対ドルで0.10%上昇し、1ドル=7.2585元。一時、3カ月ぶりの高値となる7.2385元まで上昇した。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは5.3%超急伸し、3万7978ドルと、1週間ぶり高値に迫った。年初からは約125%上昇している。
ドル/円 NY終値 151.35/151.38
始値 150.26
高値 151.44
安値 150.06
ユーロ/ドル NY終値 1.0846/1.0850
始値 1.0866
高値 1.0885
安値 1.0832